ホーム日本地震工学会

原子力発電所の地震安全問題に関する調査委員会

委員会設置の背景と目的

 平成19年7月に発生した新潟県中越沖地震では東京電力・柏崎刈羽原子力発電所が被災し、現在も運転停止中である。この地震に際し、敷地での地震観測記録をはじめとして多くの知見が得られており、それらを今後の原子力発電所の地震安全にフィードバックしていく意義は大きい。

 原子力発電所の地震安全に関する検討は、産・官・学のそれぞれの立場から取り組む必要があるが、地震、地盤、土木、建築、機械など多くの専門分野に関わる問題であり、「学」の立場としては横断学会としての日本地震工学会が主体的に取り組むに相応しい課題であると言える。

 一方、日本原子力学会では「原子力発電所地震安全特別専門委員会」を設置し、今後の原子力発電所の地震安全に関するロードマップの作成に着手している。このうち、地震、地盤、土木、建築に関わるところについては日本地震工学会の協力を期待しており、その取りまとめを亀田弘行京都大学名誉教授と原子力安全基盤機構に要請している。

 そこで本委員会では、原子力発電所全体を捉えた場合、最適な地震安全性をどのように実現していくべきかを委員会で議論し共通認識を持った上で、これを反映したロードマップを作成することを目的とする。

設置期間

報告書の原稿がまとまった段階の平成23年3月11日に、M9.0の東北地方太平洋沖地震が発生したため、当該地震による福島原子力発電所等への影響を委員会報告書に反映することが必要と判断し、以下のとおり委員会活動期間を当初の計画に対して1年間延長した。

 2008年10月1日〜2012年3月31日

活動計画

  • 原子力発電所の地震安全問題はきわめて多岐に及ぶので、最初から個別の課題を深く掘り下げるのは得策ではない。そこで、原子力発電所をシステムとして総合的に取り扱っている地震PSAの手法を参考にした上で、総合的な視点で課題を抽出する。
  • 新潟県中越沖地震の際に生じた事象を調査し、原子力発電所の地震安全に関する研究課題を網羅的に抽出する。各課題を重要度によって層別するとともに、今後どの程度の期間で解決を目指すべきかについて整理し、全体をロードマップとしてとりまとめる。
  • 日本原子力学会からの要請はあるが、本委員会はあくまで日本地震工学会独自の活動として位置づける。ただし、活動成果を日本原子力学会等に展開することは妨げるものではない。

委員

委員長 亀田弘行(京都大学名誉教授)
副委員長 高田毅士(東京大学)
幹 事 中村英孝(原子力安全基盤機構)
日比野憲太(原子力安全基盤機構)
山ア宏晃(原子力安全基盤機構)
委 員  秋山伸一(伊藤忠テクノソリューションズ)
有賀義明(弘前大学)
安中正(東電設計)
石川裕(清水建設)
今塚善勝(大林組)
蛯沢勝三(原子力安全基盤機構)
落合兼寛(日本原子力技術協会)
香川敬生(鳥取大学)
菊地優(北海道大学)
小泉孝之(同志社大学)
小林正典(ABS Consulting)
鈴木浩平(日本クレーン協会)
中島正人(電力中央研究所)
中村晋(日本大学)
中村隆夫(大阪大学)
伯野元彦(東京大学名誉教授)
藤川智(清水建設)
藤田聡(東京電機大学)
藤原広行(防災科学技術研究所)
皆川佳祐(東京電機大学)
宮野廣(法政大学)
村上通章(構造計画研究所)
吉田郁政(東京都市大学)
吉田望(東北学院大学)
オブザーバ 尾之内厚志(中部電力)
菊地利喜郎(東京電力)

議事と資料

  • 「原子力発電所の地震安全問題に関するワークショップ」(2009年12月10日) 詳細へ
  • 活動経過 詳細へ
  • 第1回委員会(2008年10月8日)議事録 詳細へ
  • 第2回委員会(2008年12月17日)議事録 詳細へ
  • 第3回委員会(2009年3月18日)議事録 詳細へ
  • 第4回委員会(2009年6月25日)議事録 詳細へ
  • 第5回委員会(2009年10月2日)議事録 詳細へ
  • 第6回委員会(2009年12月10日)議事録 詳細へ
  • 第7回委員会(2010年4月9日)議事録 詳細へ
  • 第8回委員会(2010年6月29日)議事録 詳細へ
  • 第9回委員会(2010年7月30日)議事録 詳細へ
  • 第10回委員会(2010年12月22日)議事録 詳細へ
  • 第11回委員会(2011年2月3日)議事録 詳細へ

関連リンク

このページの上部へ