第20回若手地震工学研究者の会セミナー参加報告

京都大学工学研究科土木システム工学専攻 高橋良和(第20回セミナー幹事)

「若手地震工学研究者の会」(以下「若手の会」)は,地震学/地震工学に関 する研究を行っている40歳以下の研究者の集りであり,今年で発足20年を迎え る.会員の研究テーマは,耐震工学をはじめとする地震工学全般から,地震学 まで非常に多岐にわたっている.その活動分野も,土木工学,建築工学,地震 学等広くカバーしており,複数の分野で活躍する会員も多い.会員の所属機関 も,大学等の教育機関,独立行政法人である研究所,民間の研究機関など多岐 にわたっている.

その若手の会が毎年催しているセミナーが,今年は,地震工学研究発表会の直 後となる2001年8月4〜6日に,北海道伊達市の「胆振(いぶり)青年の家」において 行われた.セミナーには56人の会員が参加し,会員による13件の一般講演, 20件のショートプレゼンテーション等が行われた.一般講演においては, そのほとんどにおいて,質疑応答が予定された時間を大幅に超え, 1時間に達する発表もあるなど,非常に活発な議論がなされた.

また5日には北海道大学付属有珠火山観測所の大島弘光助教授により 「有珠山2000年噴火について」と題した特別講演が行われ, 有珠山の噴火の歴史や特徴をまじえた講演が行われた.

また,最終日6日には,大島先生の引率の下,いまだに白煙を噴出している 有珠山の火口や,噴火時に被災した国道 230号の被災状況の見学,火口付近における微動観測等も行われた.(注:こ れらは虻田町有珠山噴火災害復興対策室の許可を得て実施されたものである. ここに関係各位のご協力に深く感謝致します.)