第9号議案 平成14年度事業計画

 日本地震工学会は、地震工学の進歩および地震防災事業の発展を支援し、もって学術分化と技術の進歩と地震災害の防止と軽減に寄与することを目的としている。また、地震工学関係の研究者や技術者のみならず、地震そのものや地震による災害に関わるあらゆる分野の人々にとって有益な交流の場となるべく活動を行っている。

 中長期的視点では、将来、社団法人化することが目標であるが、本年度は、昨年度事業に加え、学術・調査研究委員会の設置を行うとともに、会員の増強を図り、学会活動の質の向上と、規模の拡大を目指す。また、会員との交流を深め、会員サービスの向上を図っていく。

9号の1)会員幹事会

 本学会の活動の原点である個人会員および法人会員の増強を、会員各位の御協力により実施する。わが国が地震の脅威にさらされた先進国であり、国民の人命・生活および財産の保護、ならびに生活・産業の基盤としての国土を保全することの重要性、さらには地震防災技術を広く国際的に普及して世界に役立つことの必要性を訴求する。学術・技術・行政・産業などこの分野に関わる方々の積極的な加入を求めていく。

 会員データベースの維持管理を行い、会員名簿を電子データで発行する。

9号の2)広報委員会

1.ホームページの管理と充実

 ホームページを通して会員に各種情報を発信すると共に、日本地震工学会の活動を広く伝達する。平成13年4月以降ホームページの正式運用が開始されたが、まだ予定の整備ができていないサイトについては速やかに整備する。具体的項目は、

1)本会主要事業・行事の案内(日本語トップページ):随時更新
2)地震災害情報の掲載・更新:随時更新
3)本会および関連学協会の行事案内:月1〜2回更新
4)JAEE NEWSのバックナンバーの掲載:月2回
5)コラム欄(名称は変更の予定)の充実:月1〜2回程度の更新
6)英語版の作成
7)関連学協会サイトのリンク集の整備

などである。

2.JAEE NEWSの記事を準備する。

3.社会との連携を目的とした地震工学に関連する基礎知識・トピックス(主として会員以外の一般社会の読者を対象)などの短編あるいは連載記事を企画する。

9号の3)会誌編集委員会

(1) 幅広い専門分野に亘る会員間の相互理解の促進を目指して、またさまざまな分野からの有用な情報の提供を目指して、各分野の第一人者からの提言、研究成果・経過報告、国際国内会議速報、連載企画等を掲載する方針である。

(2)2002年にも、年4回の予定で、Vol.2 No.1、No.2、No.3、No.4 の発行を予定している。

(3) 既に発行済みのVol.2 No.1には、連続インタビュー企画のはじめとして、米国ノートルダム大学スペンサー教授へのインタビュー記事を掲載した。今後も国内外の方々へのインタビューを掲載する予定である。

9号の4)論文集編集委員会

(1) 論文集を定期的に刊行する。季刊として、2月、5月、8月および11月に刊行を企画する。

(2) うちの1回について、論文集編集委員会としての企画号を計画する。企画テーマは未定。

(3) 1巻と第2巻をあわせて、CD-ROM版の作成を行う。これには、ニュースレターを含める。
   (会誌編集委員会、広報委員会と協議して進める。)

9号の5)事業企画委員会

 事業企画関係では昨年度に引き続き,会員向けや自治体の防災関係者・市民向けの講演会や講習会を開催する。まず,会員向けとしては,総会時において特別会員による講演および技術展示会を行う。また,9月には関東地区にて特別講演会を開く。これは昨年に引き続き,本学会が専門分野からなる総合的な性格を持つ学会であることを考慮して,いくつかの専門分野の専門家に講演をお願いする。

 自治体の防災担当者向けの講習会としては,今年度は一つの自治体を対象にし,講師を派遣して講習会を秋に開く。他の自治体からも要請があれば,適宜対応して講師の派遣を行う。平成15年にはいってからは,昨年度と同様に,震災対策技術展の折りなどに,市民向けおよび自治体の防災担当者向けのシンポジウムを開く。これは関西地区で開く。

 以上の他,大地震が発生した場合など,必要に応じて講演会や講習会,シンポジウム等を開催する。また,関東,関西地区以外の地区での活動に関して,可能性を検討していく。

9号の6)地震工学シンポジウム開催(年次大会扱い)

 日本地震工学シンポジウムは関連学協会の共催で4年に1回の割合で開催してきている。第11回目のシンポジウムを本年11月20日〜22日に東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで開くべく,現在準備を進めているところである。今回の幹事学会は地盤工学会であるが,日本地震工学会からも運営委員を出し,さらに,運営委員会内の学術部会を担当している。シンポジウムでは研究成果の口頭発表に加えて,特別講演(参加者および一般向け),公開講座(高校性向け),展示,懇親会が行われる予定である。

9号の7)学術・調査委員会

 地震工学分野の研究を進展させ 、研究成果を会員のみならず広く国内外に還元して社会の地震防災性向上に貢献するため 、学術・調査委員会を設置する。

 学術・調査委員会の活動内容は下記の通りである。

(1) 研究委員会の設置と活動支援:地震工学分野の研究促進のため研究委員会を設置する。学術・調査委員会は研究委員会の設立と運営のための規約等の作成と研究委員会の運営に関し必要な支援と助言を行う。平成14年度は二つの研究委員会の設立を目標とする.

(2) 研究集会等の企画・開催:研究委員会による研究成果の学会内外への報告および地震工学分野の特定テーマに関する研究を推進するための研究集会等を企画・開催する。

(3) 地震災害の調査:国内外での地震災害発生に際し 、他の学協会との連携のもとに必要に応じて調査団を組織し 、派遣する。さらに 、調査報告書の発行と調査報告会の開催により調査結果を学会内外に公開する。このため 、調査団の設置 、派遣 、調査結果の報告方法等に関するマニュアルを作成する。

9号の8)国際関係

 日本地震工学会の国際プレゼンスを高めるとともに、国際貢献に資する体制を整備することを目標に、平成14年度においては以下の活動に取り組む。

(1)英文HPの充実によって海外への情報発信を強化する。

(2)米国EERI(Earthquake Engineering Research Institute)との"Partnership"協定を軸に、彼らと協調しつつ、地震被害調査における連携、組織的かつ継続的な情報交換、継続教育の共同実施などについて、その実践 メカニズムの整備を図る。

(3) 地震工学アジアフォーラム構築への機運を高めるべく、アジア諸国における地震工学関連諸機関との情報交換を促進する。

9号の9)総務関係

 事務局体制の整備強化を実施する。 会員の増加と会員との連絡が益々増え、パソコン1台では、対応が困難になってきているが、当学会が会員に身近になってきていることの現れと考えられる。今後、会員サービスの確立、事務局作業の効率化のため、事務所机とパソコンの増設を行い、これに対応できる体制を整える。また、事務所占有面積の増加に対応して、建築学会との事務所賃貸契約を行う。