JAEE NEWS No.34

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# JAEE NEWS No.34 2002/06/1 日本地震工学会ニュースNo.34) #

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目次

+新会長のご挨拶

1.先日開催された総会の概要

2.総会とあわせて行われた講演会・パネル展示・懇親会の概要

3.論文集 Journal of JAEE 発刊のお知らせ

4.行事案内(WSSI講演会)

5.行事予定

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+ 新会長挨拶 +

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(本会ホームページhttp://www.jaee.gr.jp/index_j.htmlでもご覧いただけます)

 私は2002年6月より、1年間、日本地震工学会の3代目の会長を務めることになりました。青山会長、岡田会長のご尽力により、当会は、短期間のうちに、その基礎を固めつつあります。しかし、そのよって立つ所は、役員はじめ会員のご好意、ボランティアに頼っている状況でもあります。 学会が自立していくためには、会員数の一層の確保により、その規模を拡大していく必要があります。 また、規模だけに留まらず、学会活動の質を高めていくことも重要であり、私は本年度から、学術・調査委員会を立ち上げる計画ですが、本来の目的である「先端技術の普及」にも努めていかなければならないと考えております。

 一方、日本地震工学会は、各分野の横断的な繋がりを大切にする学会です。 分野セクションに垣根があれば、人と人との繋がりを大切にして、広い心でこれを取り払ってこそ、連携による新しい学際研究が進み、社会に貢献できる新しい活動ができるものと信じます。

 さて、2002年5月22日に開催された第2回通常総会においてご承認いただいたように、日本地震工学会は将来、社団法人化を目指していくことになりました。 法人化は一朝一夕になるものではありませんので、長期間の地道な活動が求められます。そのためには、会員に対する情報提供、研究の促進に加え、国際的な連携をとっていくことや、会員外のたとえば自治体の防災担当者や一般市民の方々への働きかけや情報提供を通じ、社会的にその存在価値を認知されてこそ、法人と認められるものだと考えております。

 当会の順調な発展に甘んじず、今後ともより一層の危機感をもって、この1年間会長としての任を果たしてまいりたいと思います。

 会員の皆様には、今後ともご支援、ご協力をお願いする次第です。

                          平成14年6月1日

                           土岐 憲三

 

1.第2回通常総会が開催されました。

 議事録や詳細な報告は別途ホームページに紹介されますが,概要をご報告します. 

 2002年5月22日15時より平成14年度通常総会が開催されました。委任状を含む出席者は630名でした(総会の成立には正会員1385名の1/3).

 岡田会長(総会議長)から,開会に先立ち,以下の挨拶がありました(概要).

「1年間の活動を振り返ると、軌道に乗りかかったと言えるが、基礎体力をつける必要があり、本来の目的である[先端技術の普及]については、今後の課題と言える。 しかし、会員のご協力をいただき更に、今後の発展を目指していくことができるものと考える。」

 第1号議案(事業活動報告)は中原理事から報告があり、理事会、幹事会、各委員会活動等について報告され、また,本会が社団法人化を目指すことが提案され,総会として承認されました.

 第2号議案(平成13年度の収支決算報告)では、濱田理事から黒字であることが報告され、承認されました。

 第3号議案(監査報告)伯野監事から、監査報告があり承認されました。

 第4号議案(選挙報告)選挙管理委員会(川島委員長)からの会長宛て報告に基づき,

平成14年度役員のうち、次期会長:石原研而氏、副会長:濱田政則氏、工藤一嘉氏、監事:岩崎敏男氏の就任が承認されました。

 第5号議案(14年度役員選出)7名の理事が退任し,14年度から以下の方々の理事就任が承認されました.稲田泰夫氏、井野盛夫氏、亀田弘行氏、北田義夫氏、小長井一男氏、鈴木祥之氏、武村雅之氏(五十音順)

 第6号議案(役員候補推薦委員の選任)新任の委員7名:運上茂樹氏、水田正一氏、当麻純一氏、井上範夫氏、藤田聡氏、武村雅之氏の就任が、承認されました。

 第7号議案(選挙規則の改定)小谷副会長が、議案の選挙規則の改定の主旨を説明し、第14回理事会の議決により改定されたことが報告されました。今後理事からの選挙管理委員の任期は1年となります。

 第8号議案(選挙管理委員の選任)土岐新会長から紹介があり,選挙管理委員として,正会員からの2名(植竹富一氏、大保直人氏),理事からの2名(塩原理事、小長井理事)の就任が承認されました.

 第9号議案(平成14年度事業計画)塩原理事から,全般の説明があり,特に,本年度より学術・調査委員会を立ち上げ、研究委員会の設置や、地震災害調査について準備をはじめることが説明され,承認されました。なお,会場から,災害調査の際の他学会との調整への配慮,IAEEの国内組織としての活動の位置付けについて意見が寄せられました.

 第10号議案(平成14年度収支予算案)北村理事の説明により,予算案が承認されました.法人化に向けた積立金,研究委員会への予算などに新しい動きがあります.

 

 用意された議事の終了後、議長は自由意見を会場の出席者に求めたところ、土岐氏が、岡田会長へのこの1年のご尽力に対し、皆で感謝申し上げることを発議され、出席者全員で拍手し、岡田会長への感謝を表わした。それに応え、岡田会長が挨拶に立たれ、役員ならびに会員の献身的なご協力に感謝するともに、(財)震災予防協会のご好意、事務局への感謝を述べられた。

 

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岡田会長はじめ,退任された役員の皆様,ご尽力ありがとうございました.

引き続き本会の発展にお力添えをお願い申し上げます.

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2.講演会・展示・懇親会の報告

 

  事業企画委員会の企画で,通常総会に先立ち、法人会員2社による講演と8法人会員のパネル展示,総会終了後の懇親会が行われました.

 

 講演会では,司会を本会事業企画委員の桑村仁氏が務め、下記2題のご講演をいただきました。 

(1) 題目「地震観測への取り組みと研究・実務へのフィードバック」

大保直人氏(鹿島建設):橋梁を中心とした土木構造物での地震観測とデータ解析の例を説明していただきました。企業としての耐震安全性への取り組みの一つとして,ご紹介いただきました.

(2) 題目「関西電力社有建物の耐震診断と耐震補強」

尾崎昌彦氏(関西電力):年代の古い建物の耐震診断に、最新の解析技術を利用したり、データの不足を常時微動でのチューニングで補正したり、各種の方法で一つ一つ対応した例を紹介していただきました。

 【法人会員によるパネル展示】

 建築会館ホールならびにホワイエで、8法人会員のパネル展示が行われた。参加法人会員は、大成建設、大林組、鹿島建設、清水建設、日本建築学会、飛島建設、防災科学技術研究所、日本耐震防災事業団でした.ご協力ありがとうございました.

 【懇親会】

 通常総会終了後、ホワイエにて、ささやかな懇親会が催され、和やかな雰囲気で会員相互の懇親が図れました.

 

 

3.論文集編集委員会からのお知らせ

 

本会論文集の第2巻、第2号が刊行されました。通算で、第3冊目の刊行となります。

今号には、論文が2編、報告が3編の計5編の論文報告が掲載されています。

本会ホームページ(http://www.jaee.gr.jp/index_j.html)から「学術論文」へとお進みください

(論文)

  2-1. 護岸近傍に位置する杭基礎建物の3次元有効応力解析

渦岡良介、仙頭紀明、八嶋厚、張鋒

2-2. 計測震度と住家被害率の関係 -罹災調査結果を用いた検討-

翠川三郎、藤本一雄

(報告)

 2-3. 高密度強震計ネットワークを利用した深部地下構造調査

高秀秀信、阿部進、中島徹也、乾晋

2-4. 地震災害の多様性に鑑み、災害防止対策実施に当たり、最優先的に採り上げ

られるべき災害項目の重要性、緊急性の検討

表俊一郎

2-5. 地質調査所データに基づく1923年関東地震の詳細震度分布 その2.埼玉県

武村雅之、諸井孝文

 

4.行事案内

 

「大都市の激甚災害に対するリスクマネージメント」

 

神戸、トルコ、台湾、インドなど最近の大都市を襲った地震被害、そして昨年9月11日のニューヨーク世界貿易センター(WTC)ビルでのテロと信じがたい巨大タワービルの完全崩壊などを受けて、大都市における激甚災害リスクについての関心が高まっています。地震をはじめとする都市のリスクに関する研究、そのリスクを低減するための工学的・社会科学的な対応、経済損失に対するリスク評価方法の確立とリスクマネージメント方法の確立などは全く新しい社会科学といっても良いと思います。

世界地震安全推進機構(WSSI:World Seismic Safety Initiative, 1991年発足の国際地震工学(IAEE)下部組織としてのNPO組織)は、国際的に自然災害の軽減・リスクマネージメントに関する広範な活動をしています、 この度、実行委員会が東京で開かれ地震工学・都市防災に関する世界的な権威が集まる機会を利用して、下記の講演会を企画しました。 講演者と参加される方との質疑応答を含めた交流を深める場になればと考えます。

主 催:ワールド・サイスミック・セイフテイ・イニシアティブ

   (WSSI:世界地震安全推進機構)

日 時:平成14年6月8日(土)午前10時開始、午後3時終了

会 場:財団法人深田地質研究所会議室(文京区本駒込2-13-12:電話 03-3944-8010)

(地下鉄都営三田線千石駅から徒歩5分、南北線本駒込駅から徒歩15分:

以下のURLの案内図をご参照下さい。URL http://www.fgi.or.jp/index-j.html )

内 容:

 10:00-10:45  開会挨拶とWSSIの活動の紹介(大矢暁: WSSI理事)

 10:45-11:45  ニューヨークWTCタワービルの崩壊原因の分析と大都市における

        新たな災害リスク問題(W.D. Iwan: WSSI理事)

 11:45-12:45  最近の大被害地震による経済損失と大都市の災害リスクマネージメント

        (H.C. Shah: WSSI会長 )

 12:45-13:30  昼食(軽食を準備します。講師の方との懇談を予定しています。)

 13:30-14:30  最近の国の防災事業、とくに大都市の大震災に対する取り組みについて

        (片山恒雄: WSSI副会長)

 14:30-15:00  総括質問と議論

 15:00 散 会

 ・ Iwan教授、Shah教授の講演は英語で行ないます。同時通訳のサービスはありませんが、講演内容は資料として配布する予定です。

 ・ 会場の都合から定員は65名とさせていただいております。満員になり次第締め切らせていただきますので,その節はご容赦ください.

参加費:世界の地震災害の低減に貢献するWSSIの活動を支援していただく賛助会費として、5千円(一口)より申し受けます。できれば,二口以上お願いします.ご理解とご協力をお願いいたします。

連絡先:今井里江子(応用地質(株)) 電話:03-3234-0379 

e-mail: imai-rieko@oyonet.oyo.co.jp

 

5. 行事予定(関連学協会を含む)

 

2002年

 7月21-25日 7th National Conference on Earthquake Eng. Boston, Ma, USA

       (ww.eeri.org)

 8月15-20日 International Conference on Advances and New Challenges in Earthquake  

       Engineering Research

       Harbin (8月15-17日)and Hong Kong(8月19-20日)

       (http://news.jaee.gr.jp/temp/)

 9月9−13日 12th European Conf. on Earthqake Engineering, London

       (http://www.12ecee.org.uk)

 11月20-22日 第11回日本地震工学シンポジウム(国立オリンピック記念青少年総合センター).詳細は

    http://www.jiban.or.jp/organi/bu/chousabu/JEES/JEEShome-j.html

 12月1-3日  China-Japan Workshop on Vibration Control and Health Monitoring of 

        Structures and Third Chinese Symposium on Structural Vibration Control

        (Shanghai, China)

 12月16−18日 第12回地震工学シンポジウム(インド)

2003年

  1月22−24日 第6回SEGJ国際シンポジウム−Imaging Technology-

         (主催:物理探査学会,会場:日本大学会館)

          http://www.segj.org/committee/sympo/is6/

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