JAEE NEWS No.109
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# JAEE NEWS No.109 2005/11/1 日本地震工学会ニュース No.109  #
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 日本地震工学会では初めての常置委員会として地震災害対応委員会を設け、
国内外での地震災害発生時に、他学会との連携も取り地震調査団を派遣すること
を考えています。地震被害調査は現在の地震防災対策の弱点を把握すると同時に、
新たな災害の特徴を捉え、次の研究ニーズを知る上で欠かせないものです。
 しかし、多くの学会が独自に調査団を送り、同じような質問や資料請求を被災
地の自治体や企業に繰り返すことは、これを受ける側からすればたまったもので
はありません。
こうした問題は特に海外での地震調査で重要で、1989年米国ロマプリータ地震や
1994年ノースリッジ地震の際に問題となりました。日本チームとしてまとまった
活動が求め られています。一方、調査する側でも、会員の多くが複数の学会に
またがって活動しており、ヒューマンリソースの面からも重複を避けた地震被害
調査の仕組みが求められています。
このためには、いろいろな学会が地震発生直後から被害情報を交換しあったり、
調査団を合同派遣したりすることが有効です。また、地震後の合同報告会も会員
には有効でしょう。
日本地震工学会は、将来、他の学会の期待を担う形で、合同調査や合同報告会の
開催等、地震調査のコーディネートにリーダーシップを持つことが期待されてい
ます。 
しかし、歴史の浅い日本地震工学会がいっきにこうした役割を果たすことは難し
いかもしれません。日本地震工学会の貢献が認められるためには、ある程度の時
間が必要だと考えられます。このためには、今後5年程度を目標として、日本地
震工学会独自に地震調査団を派遣 できる体制を組み上げ、既存学会との合同調査、
合同発表会を開催する等の仕組みを確立することが必要と考えられます。
 また、近年、学会の役割として、学術目的の地震調査にとどまらず、復旧や復
興支 援に対する貢献の重要性が指摘されています。日本地震工学会は多くの人材
を擁しており、地震後の応急診断から復旧方向の指導、さらには、長期的な地震
防災対策、被災地や地元民に対する教育や情報提供面の支援も可能です。これに
より、防災担当者も日本地震工学会の会員になるメリットが出てくるでしょう。
 最近、スマトラ沖地震、パキスタン地震と立て続けに超大型地震被害が生じて
います。すでに、日本地震工学会では地震災害対応委員会が予備的活動としてパ
キスタン地震の情報収集やホームページの立ち上げ、関連学会との情報交換を活
発に行っています。今後、さらに会員に役立つ情報提供を行っていく予定です。
今後も、スマトラ沖やパキスタン地震のように、犠牲者が数万人単位という悲惨
な地震被害が発生するでしょう。発展途上国の地震被害では、研究と地震防災対
策の実務が離れすぎていて、学術研究目的だけでは地震被害調査が成立しない場
合があります。被災地のニーズも 食料品や医薬品等、民政の安定が最優先です。
しかし、建物や学校、道路の復旧等、国際貢献として我が国の地震工学に期待さ
れている役割は大きいものがあります。これには、長期的な取り組みが必要で、
使命感と善意に支えられた国際貢献としての活動が必要になります。 
今後、こうした点にも、日本地震工学会の活動の輪が広がっていくことが期待さ
れます。(川島)


※ 日本地震工学会のホームページ:http://www.jaee.gr.jp/index_j.html
         
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%《日本地震工学会関連のニュース》%%%%%%%%%%%%%%%%%%% 

○日本地震工学会・大会−2005関連情報
日時:2005年11月21日(月)〜23日(水)
場所:京大会館(http://www.kyodaikaikan.jp/)
※プログラム、、ホテル・会場へのアクセス情報を下記URLに掲載しました(10/12)。
http://www.jaee.gr.jp/convention/index.html

○パキスタン地震関連情報リンク集
2005年10月8日パキスタン北部のカシミール地方でマグニチュード7.6(USGS)
の地震が発生した。10月10日現在20000人近い死者が出ており,けが人も
40000人を超えている。隣接したインドでも約600人の死者が出ている。
倒壊した建物には未だに多くの人々が生き埋めになっており,死者の数は
30000人を超えるとの見方もある。
http://www.jaee.gr.jp/news/disaster/2005pakistan.html

○「E-ディフェンス見学会」
下記の予定で開催されます「E-ディフェンス見学会」は見学申し込みが定員
に達しましたので締め切らせていただきました。多数お申し込みありがとう
ございました。
・日程: 2005年11月11日(金) 14:00〜
・場所:独立行政法人 防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター
実験内容:震動台上に木造住宅を2棟同時に設置された状態で実験を行い、
応答の違いなどを比較検討いたします。試験体は町家と呼ばれる店舗兼住宅
として、京都市内から移築した築70年以上の軸組構法の住宅、同じ軸組を持
つ新築住宅の2棟です。
詳細は,http://www.jaee.gr.jp/news/information/ed.htmlをご覧ください。

○第12回日本地震工学シンポジウム(2006)
期 日: 2006年11月3日(金)〜5日(日)
会 場: 東京工業大学大岡山キャンパス(東京都目黒区大岡山2-12-1)
論文形式: 4ページ、全文審査
論文締め切り: 2006年5月初旬予定
http://www.jaee.gr.jp/news/information/sympo2006.html

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http://www.jaee.gr.jp/news/back_number/index_b.html
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にお寄せください。 
         
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%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%《地震災害情報》%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% 

<2005年宮城県沖の地震」の関連情報>
○地震調査研究推進本部2005年8月16日宮城県沖の地震の評価
   http://www.jishin.go.jp/main/chousa/05aug_miyagi/index.htm

○内閣府 宮城県沖を震源とする地震について(第6報)
(平成17年8月22日18時00分現在)
   http://www.bousai.go.jp/kinkyu/050816jishin_miyagi/050816jishin_miyagi_6.pdf

○国土交通省 防災情報提供センター
   http://www.bosaijoho.go.jp/saigai.html#H17_04

○東北大学 地震・噴火予知研究観測センター
   http://www.aob.geophys.tohoku.ac.jp/news/latest/20050816_news

<2005年福岡県西方沖地震の関連情報>
○2005年福岡県西方沖地震に関する情報をホームページに掲載しています。
   http://www.jaee.gr.jp/news/disaster/2005hukuoka_W.htm

<2004年スマトラ地震の関連情報>
○2004/12/26のスマトラ地震に関する情報をホームページに掲載しています。
   http://news.jaee.gr.jp/news/disaster/2004sumatra.html

<新潟県中越地震関連情報>
○平成16年新潟県中越地震に関する情報をホームページに掲載しています。
   http://www.jaee.gr.jp/news/disaster/2004niigata.html

<防災マップ・予測地図など>

○内閣府中央防災会議
 ・平成16年新潟県中越地震について(第56報)(9/20)
   http://www.bousai.go.jp/kinkyu/041023jishin_niigata/jishin_niigata_56.pdf

○地震調査研究推進本部
 ・宮城県沖の地震活動の評価 (9/14))
   http://sparc1038.jishin.go.jp/main/chousa/05sep_miyagi/index.htm

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%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%《公募》%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
○東京工業大学都市地震工学センター特別教育研究プロジェクト研究員
 (ポスドク)の募集
  ・研究分野: 首都圏での震災軽減のための実践的な研究
  ・任期: 原則単年度で最長5年間
   詳しくは下記をご参照下さい。
   http://www.cuee.titech.ac.jp/openings/info_17/pd17_sp.html

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%%%%%%《行事案内行事予定・論文募集(関連学協会を含む)》%%%%%%%%

○2005年活断層調査成果および堆積平野地下構造調査成果報告会の開催
 開催日 :平成17年11月10日(木)、11日(金)
 会場  :こまばエミナース ホール (東京都目黒区大橋2-19-5)
 主催  :文部科学省
 問い合わせ・申込先:
 〒101-0064 東京都千代田区猿楽町1-5-18 千代田ビル5階
 (財)地震予知総合研究振興会 地震調査研究センター
 活断層・地下構造報告会係
 電話:03-3295-1501 FAX:03-3295-1507
 http://www.jishin.go.jp/main/oshirase/051019seika.pdf

○第33回地盤震動シンポジウム
 テーマ  地震動予測地図を考える
      ―地盤震動研究を耐震設計に如何に活かすか(その4)―
 開催日時 2005年11月18日(金)10:00-17:30
 開催場所 建築会館ホール(東京都港区芝5−26−20)
 詳細   http://www.aij.or.jp/jnetwork/scripts/view30.asp?sc_id=1138

○オーストラリア地震工学会
 開催:オーストラリア地震工学会
 時期:2005年11月25日-27日
 場所:Albury, New South Wales
 連絡先:Ms. Barbara Butler, PO Box 829
          Parkville 3052
          New Southwales, Australia

○建築構造物の性能最適化とロバスト性に関するセミナー
 主催   日本建築学会・構造委員会・応用力学運営委員会・
      構造物の性能最適化とロバスト性小委員会
 開催日時 2005年12月16日(金)10:00〜17:00
 開催場所 建築会館・本会会議室(東京都港区芝5-26-20)
 詳細   http://www.aij.or.jp/jnetwork/scripts/view30.asp?sc_id=1140

○建築構造物の健康診断に関するワークショップ ●○●
 主催   構造委員会・振動運営委員会・構造ヘルスモニタリング小委員会
 開催日時 2005年12月20日(火)13:00〜17:00
 開催場所 建築会館ホール(東京都港区芝5-26-20)
 詳細   http://www.aij.or.jp/jnetwork/scripts/view30.asp?sc_id=1139

○第55回理論応用力学講演会 講演募集
 開催日 2006年1月24日(火)〜26日(木)
 開催場所 京大会館(〒606-8305 京都市左京区吉田河原町15-9)
 http://news-sv.aij.or.jp/nctam/

○ニュージーランド地震工学会(New Zealand Society for Earthquake Engineering)
 年次大会講演募集
 日時: 2006年3月10-12日
 場所: Napier, New Zealand
 アブストラクト締切: 2005/10/13
 詳しくは下記をご覧下さい。
 http://www.nzsee.org.nz/EVENTS/nzsee2006firstcall.pdf

○市民講座「あなたが知りたいマンションの耐震性」
 主催 NPO法人建築技術支援協会 地震工学会後援
 日時 05年11月18日(金)  13:30〜16:30(3.0h)
 会場 すまい・るホール 定員 300名 資料代500円
 申込 建築技術支援協会 ホームページから
   http://www.psats.or.jp/

○第25回震災予防協会講演会「災害列島の自然を考える:地震・火山・津波と日本人」
 日 時  2006年2月3日(金)13:00−16:25
 場 所  パシフィコ横浜
 主 催  震災予防協会
 参加費  1000円(資料代を含む)
 講演(全て仮題)
 ・日本列島の土台を創った巨大地震 平 朝彦((独)海洋研究開発機構)
 ・巨大津波のなぞにせまる  佐竹健二((独)産業技術総合研究所)
 ・巨大噴火の歴史と日本人  鎌田浩毅(京都大学)
 (司会:武村雅之(鹿島建設))

○その他の行事等は下記のページをご覧下さい.

http://www.jaee.gr.jp/news/information/index.html

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