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研究委員会「土構造物におけるライフサイクルコスト戦略の研究委員会」

1)期待される成果

  • LCCを計算する手法を提案する。
  •  
  • いくつかの事例につき、所期の建設時の防災への配慮がLCCの逓減を満たすことを例証する。
  •  
  • 耐震設計が土構造物においても重要であることを広く知らしめる。

2)研究期間

 平成18年度〜平成20年度(3カ年)

3)応募要項

以下の5項目を記したワードまたテキストファイルを下記送付先までEmailでお送りください。 その際、ファイル名称を「新規委員会応募」としていただければ幸いです。

  • 氏名
  •  
  • 所属・部署・役職
  •  
  • 連絡先(住所・電話・FAX・Email)
  •  
  • 専門分野
  •  
  • 土構造物のライフサイクルコストという概念との関わりや抱負など40字程度のコメント。

4)送付先

 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻・教授 東畑郁生
 E-mail: towhata@geot.t.u-tokyo.ac.jp

5)趣旨

 地盤関係の構造物には、たとえば港湾の護岸、交通 施設の盛土や杭基礎、斜面補強や擁壁、水利施設で としての堰提やダムなど、きわめて多様なものがあ る。また土堤防の中には、本来の堤防としての役割 だけではなく、通信ケーブルなどが埋設されて近代 社会のライフライン網の中で重要な役割を担ってい る例もある。

 土を主体とする構造物が強い地震動をこうむった場 合、ある程度の被害が起こることは、やむをえな い。しかし甚大な被害を回避して緊急時の社会対応 に貢献すること、そして迅速な社会復旧の一翼を担 うことは、誰しも願うところである。しかし実際に は、そのような視点から耐震性を確保しようとする 戦略は、地盤構造物にあっては明確には打ち立てら れて来なかった。土構造物の挙動は構造物本体だけ でなく基礎の自然地盤の振る舞いによって大きく影 響され、それらの挙動予測には多くのデータが必要 であるにもかかわらず、それらを調査する態勢が無 いことも、理由の一つであった。その結果、万一の 時の損傷が早急に復旧できる範囲に収まれば良い、 という思考が、精一杯であった、と言えよう。しか しあらゆる公共投資に合理性、説明責任が求められ つつある現在、初期建設投資、常時の維持管理、災 害時の損害を全て合わせてライフサイクルコストで 最適化を図る戦略も、準備しておく時期が来てい る。そこで本研究は、代表的な数種類の地盤構造物 を選び、ライフサイクルコストの考え方の提案およ び試算を行ない、将来への知的資産とする。

6)研究の内容

 土構造物の維持管理に携わっている国内主要機関 に対して、盛土や護岸、堰堤などの維持管理の基準 と実態を調査する:維持管理工事に着手する変位の 具体的な数値、時間間隔など。  土構造物の長期変化はクリープによってもたらさ れたところが大きい。そして締め固めた土のクリー プの速度は遅く、維持管理の必要性は小さくなる。 それと同時に締め固めた土は災害に対する抵抗も大 きい。そこで三軸せん断実験装置にクリープしやす い粘土まじり砂の試験体を設置し、クリープ速度と 動的強度を測定する。この実験を様々な締め固め度 で行なう事により初期の建設エフォート(締め固め 度)〜維持管理の必要性(クリープ)〜動的強度の 関係を得る。

 ライフサイクルの三要素の内、災害時の被害算定 (コスト)が極めてむずかしい。当該土構造物の復 旧費用だけがロスになるのではなく、その影響とし て起こる社会的損害をも含まれる。ところが他方、 記録的な損害は、当該構造物だけではなく他の被災 の影響も重なって生ずるものである。このようなこ とからライフサイクルコスト算定の具体的な方法が まだ存在せず研究が必要である。

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