ホーム日本地震工学会地震被害の軽減と復興に向けた提言

地震被害の軽減と復興に向けた提言

日本地震工学会では、昨年の大震災以来、今後の我が国社会のあり方について提言をまとめるべく、検討を続けてきました。個別の技術的提言ではなく、技術者から考えた日本国地震防災の将来に関する意見表明です。国や技術者だけでなく、広く国民に向けても意見表明を行っています。

地震被害の軽減と復興に向けた提言(全文)

提言要旨

 日本地震工学会は、地震工学および地震防災に関する学術・技術の進歩発展をはかり、地震災害の軽減に貢献することを目的とする一般社団法人です。工学や社会システムの広い分野をカバーする特徴ある学会として活動をしています。平成23年に東日本を襲った大震災の被害実態、その後の復旧・復興への努力、そして近い将来に予想される大地震への対策構築などの状況を鑑み、日本社会全体に向けて次の提言を行います。

国へ

  • 強靭なインフラ施設無くして地震に強い社会はあり得ない。したがって国はハード対策に注力し、人命の保護と災害の抑制に貢献する耐震化施策を、これまで以上に進める。
  • 大震災を国家的危機と捉え、国家運営の見地から、国民の利益・福祉の拠りどころである経済基盤を護ることに努力を傾注する。
  • 経済基盤が抱える災害リスクを明らかにし,経済基盤を揺るがす致命的被害を防止する。安全で豊かな社会の拠りどころとなる経済基盤を護り伝えるという基本姿勢を短期的な見地から破棄してはならない。
  • 民間企業や個人が自主防災の努力を行いやすくなるよう、制度改革を図る。

国民へ

  • 震災を経験した現世代は、長期的かつ大局的な見地に立ち、将来世代への責任を果たす。安全で豊かな社会を将来世代へ引き継ぐことが、現世代の責任である。
  • 日本国は世界的にも稀な地震危険地域に存在していることを認識し、日常生活の中で災害の恐ろしさを子孫に語り伝える。
  • 安全に絶対はないことを理解する。
  • 災害の受忍限度を把握し、それぞれの安全目標を定め、自助努力を以って一定レベルの安全を確保する。

地震工学の専門家へ

  • 社会の変容にともなう災害の変化を認識し、新たなタイプの災害を未然に防ぐため、慣習に囚われない想像力を発揮して、将来の新たな災害に対する技術開発を推進する。
  • 社会システム全体としての安全性を捉え、そこから問題となる課題を探り出し、改善するという発想を持つ。
  • 安全と安心の違いを認識し、国民が安心を実現できるよう、真摯に努力する。
  • 安全を実現しようとする国民の自助努力を真剣に支援する。

日本地震工学会の決意表明

  • 性能明示型耐震設計を推し進め、様々な構築物やシステムの耐震安全性を判断できる分かりやすい指標を提案し、併せて、安全確保とそれに必要なコストとの関係を把握できる情報を発信する。
  • 災害予測情報の提供、地震・津波警報システムの拡充・改良など情報化防災社会の実現に貢献する。
  • 地震に強い社会の構築を目指し、専門的な立場から、ハード対策とソフト対策のバランス・融合のあるべき姿を追究する。
  • 国民に対し、地震の脅威や心構え、防災・減災の方策など、アウトリーチ活動を積極的に推進し、国民の自助努力に対して情報支援を行う。

このページの上部へ