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140字解説・地震工学

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No 語句 よみ 140字解説 URL(X)
1 マグニチュード まぐにちゅーど 地震の大きさを表すものさし。断層のずれ動きが生み出すエネルギーを測るもので、Mが1大きくなるとエネルギーは約30倍、2大きくなると約1,000倍になります。観測史上最大のMは9.5、1,000kmにわたり断層が動いた1960年チリ地震です。 リンク
2 震度 しんど 気象庁がその地点の揺れの激しさを震度0から震度7までの10階級で表すものさし。震度7に上限は無く、震度6(強)を超える揺れは震度7になります。震度7は、1948年の福井地震をきっかけに導入され、1995年の阪神淡路大震災で初めて観測されました。 リンク
3 耐震基準 たいしんきじゅん 地震に対する建物の強さの公的基準。現行では1981年制定の「新耐震基準」が標準的です。震度5強程度の地震には概ね無補修で済み、震度6強・7の大地震には損傷しても倒壊しない(人命を守る)設計です。これに満たない建物は危険が大きいです。 リンク
4 耐震性能 たいしんせいのう 建物が必要とする地震に対する強さ(耐震性能)は、建物の目的や機能に応じて適宜一般の耐震基準を超えて設定します。例えば「免震建物」は、大地震時に多くの建物が損傷する中でも、概ね無補修で使い続けられる高い耐震性能を持ちます。 リンク
5 免震構造 めんしんこうぞう 建物と基礎の間にゴムやローラーなど水平移動できる仕組を設けて、地震時の建物の揺れを大幅に小さくする構造。安全性を高めたいビルや住宅、データセンターなどの重要建物に適用され、現在国内に1万棟近い免震建物があります。 リンク
6 制震構造 せいしんこうぞう 建物の動きに抵抗しながらブレーキをかける装置(ダンパー)を持ち、地震時の揺れを大幅に小さくする構造。粘りの強いオイルなどの特別な材料を利用します。動力で揺れを打消すタイプもあります。住宅、ビルなど約2千棟に導入されています。 リンク
8 木材 もくざい 住宅を中心に日本で伝統的に用いられてきた構造材料です。特に「杉」は軽量で強度が高く最も一般的です。法隆寺など伝統建築では檜(ヒノキ)が用いられています。近年サステナビリティの観点から木材に注目が集まり、世界的に構法開発が盛んです。 リンク
9 鉄鋼 てっこう 建築、造船、機械など幅広く用いられる材料。業界ごとに様々な鉄鋼が製造され、成分や製造過程が異なります。建築用の鉄鋼は「軟鋼」とも呼ばれ、粘り強い(破断するまでの曲げや引張りの変形に強い)ことが特長で、耐震性を高める重要な性質です。 リンク
10 地震動 じしんどう 地震動は、地盤を伝わる揺れの動きで、P波(縦波)とS波(横波)に分けられます。P波は地盤を突き動かす波で5-7km/secで素早く伝わり、前半の小さな揺れとなります。S波は3-4km/secの横に揺さぶる波で、後半の激しい揺れ(主要動)を起こします。 リンク
11 緊急地震速報 きんきゅうじしんそくほう 震度4以上の揺れが予想される地域への警告メッセージ。素早く伝わるP波を多くの地点でとらえ、地震の発生地点と規模を推定し、後続のS波(大きな揺れ)が到着する前に警告を発します。1,700箇所近い地震観測網がこの技術を支えています。 リンク
12 地盤 じばん 地震の揺れは、地盤の良し悪しで大きく変わります。地震波はエネルギー(=速度と振幅)を一定に保とうとする性質があり、地表付近の柔らかい地盤では速度が小さくなり振幅が大きくなります。地盤が柔らかいほど振幅の増え方(地盤増幅率)は急激です。 リンク
13 地盤種別 じばんしゅべつ お住まいの地域の地盤の種別を、公的な地図から調べることができます。中の人のいる日本地震工学会(下記:芝5-26-20)は、「砂州・砂礫州」という、河川が運んで作った砂地とわかります。すぐ隣は「埋立地」です。 リンク
14 地盤増幅率 じばんぞうふくりつ 地盤増幅率(揺れやすさ)も地図から確認できます。下記は、中の人のいる学会周辺。赤いほど増幅率が大きく、地盤が良いとは言えませんが、リスクを知ることが備えの第一歩。皆さんもお住まいを調べてみませんか? リンク
15 津波 つなみ 地震時に地殻のずれで生じる海の巨大な動き。波が伝わる速度は水深の平方根に比例するため、津波は海洋をジェット機並みの高速で進みます。1960年のチリ地震では津波が太平洋2万kmを進み、20時間後に大津波が日本を襲いました。#世界津波の日 リンク
16 津波高さ つなみたかさ 遠洋から伝わってきた津波は、沿岸浅瀬に近づいてから急に津波高さを増します。これは、水深が減り波の伝播する速度が遅くなる分、水が”盛り上がる”ためです(グリーンの法則)。遠くから見て海の変化がなくとも、絶対に油断してはいけません。 リンク
17 地震被害想定 じしんひがいそうてい 政府、自治体が発表する、大地震時の被害の予測。建物の被害棟数や人的被害数などを算出し、対策準備や施策効果の評価に活用します。 東京都の例: 被害想定マップ(→左上から表示を選択) リンク
18 被害関数 ひがいかんすう 地震の被害想定に用いられる予測モデル。過去の多くの建物の被害データを集めて統計処理することで、揺れの強さに対する被害の発生率(震度xxで全壊率xx%)を得ることができます。これを場所や建物種別ごとに計算することで被害を見積もります。 リンク
19 鉄筋コンクリート てっきんこんくりーと 網の目状の鉄筋でコンクリートを補強した一般的構造です。頑丈なイメージのコンクリートですが、実は引張する力にはほとんど抵抗できません。その弱点を引張に強い鉄筋が受け持ちます。材料の「助け合い」で強い構造となります。 リンク
20 鉄骨造 てっこつぞう 鉄鋼の柱梁などを用いた一般的構造です。建築物、鉄塔など幅広く用いられ、軽量、細身であることから、大空間の構造にも利点があります。他方、熱で強度が著しく低下する弱点があり、裸の鉄骨は耐火被覆を必要とする場合も多いです。 リンク
21 鉄骨鉄筋コンクリート てっこつてっきんこんくりーと 鉄骨、鉄筋、およびコンクリートの3つが複合した構造です。強度、耐火性などそれぞれの良さを併せ持ち、より長いスパンも掛け渡せるようになります。要素が多く、鉄筋や鉄骨の干渉を避け収めることが設計施工の要です。 リンク
22 応急危険度判定 おうきゅうきけんどはんてい 地震後に建物の危険度を専門家(建築士など)が判定します。目視、傾斜角などをもとに、赤(危険)、黄(要注意)、緑(調査済)のステッカーを貼ります。余震倒壊を避ける緊急措置で、赤、黄は危険を表します。 リンク
23 被害認定 ひがいにんてい 建物の被害(全壊、半壊など)を決定する認定です。罹災証明などの根拠として用いられ、行政が実施します。緊急措置である応急危険度判定よりも多くの時間をかけて、部位別の損害割合を算出し精査が行われます。 リンク
24 罹災証明書 りさいしょうめいしょ 被害認定に基づき、地震に罹災したことを公的に証明するもの。自治体が発行し、義援金などの経済支援や仮設住宅入居の条件となることも多い書類です。被災から申請まで原則3ヶ月の期限があります。 リンク
25 地震保険 じしんほけん 地震時の建物の損傷や延焼火災などに対して保険金を支払う仕組み。地域の地震リスクや構造区分等から保険料を設定します。火災保険とセットで加入する必要がある点、火災保険では地震時の延焼火災がカバーされない点に注意が必要です。 リンク
26 損害鑑定 そんがいかんてい 地震保険支払いの判定のために損害保険会社が行う調査。鑑定人等が柱や梁などの構造(または家財)の被害の割合に基づき、判定します。保険金は全損は100%、大半損は60%などの割合で支払われます。行政の罹災証明とは別ですので留意が必要です リンク
27 固有周期 こゆうしゅうき 振り子が一定の時間幅で揺れるように、建物には揺れやすい時間幅(固有周期)があります。木造住宅で0.2〜0.5秒、中層建物で0.5〜1秒、超高層建物で2〜3秒、免震建物で4〜5秒程度です。免震は固有周期が非常に長く、小刻みな地震を受け流します。 リンク
28 地盤振動 じばんしんどう 建物と同様、地盤にも揺れやすい周期(卓越周期)があり、岩盤で0.1秒、通常0.2〜0.5秒程度、埋立地など特に柔らかい地盤では1秒以上になり、この周期の揺れが大きくなります。建物の固有周期が一致してしまうと大きな被害を受けることがあります。 リンク
29 積層ゴム せきそうごむ 代表的な免震装置。薄いゴムと鋼の板を重ね合わせることで、上下方向には固く、左右方向には柔らかく変形できます。建物を支えながら地震時は滑らかに動きます。高さ30cmほどの積層ゴムはその2倍程度の幅、60〜70cmもずれ動くことができます。 リンク
30 オイルダンパー おいるだんぱー 地震の揺れ(エネルギー)を吸収する代表的な制震装置。建物の変形に対して、粘り気の強いオイルが封入された筒形の機械が動きを吸収します。一般に、オイルの抵抗力は動きの速さに比例するため、揺れが激しいほど強く働く性質があります。 リンク
31 TMD てぃーえむでぃー 同調質量ダンパー(Tuned Mass Damper)は、おもり(振り子)を使った制震技術です。振り子の周期を建物の周期に合わせることで地震時に建物とともに振り子が揺れ、地震エネルギーを肩代わりして建物の揺れを抑えます。TMDと略称することが多いです。 リンク
32 長周期地震動 ちょうしゅうきじしんどう 周期2〜8秒程度のゆっくりした地震の揺れ。長周期地震動は、断層の動きが大きい巨大地震で発生しやすく、さらに東京、大阪などの盆地地形では揺れが増幅するため、特に大きくなります。固有周期の長い建物を揺らすることがあります。 リンク
33 断層 だんそう 地震は、断層のずれ動きによって発生し、地殻が押される場合と引っ張られる場合、縦にずれる場合と横にずれる場合で4パターンに大別されます。西日本では横ずれ型、東日本では縦ずれ型(逆断層)が多いとされています。 リンク
34 活断層 かつだんそう 断層のうち最近(数十万年前以降)も繰返し活動しているもの。全国無数に存在し、都市の大きな揺れと地表のずれを生じる可能性があります。関東では東京都を縦断する立川断層が有名。産総研さんの地図で調べてみましょう。 リンク
35 プレート ぷれーと 地震は、プレートが毎年数センチずつゆっくりと動き押し合うことで起こります。世界の11枚ほどのプレートのうち、日本周辺は4枚が集まっていることから、地震が頻発します。その中の3枚による地殻と火山の活動の結果が「富士山」です。 リンク
36 海溝型地震 かいこうがたじしん 海側のプレートが陸側のプレートに沈み込む場所(海溝)が起こす地震。東日本大震災、想定南海トラフ地震が代表例です。数百年に1度程度の比較的短い間隔で繰り返し発生し、マグニチュードが大きく津波を伴う点が多いことが特徴です。 リンク
37 内陸型地震 ないりくがたじしん プレート内で起きる地震。阪神淡路大震災、令和6年能登半島地震が代表例です。1千年〜1万年に一度程度発生し、海溝型地震に比べ頻度は少ないものの、場所の予測が難しく、発生する場所が都市に近い場合大きな被害を生みます。 リンク
38 液状化 えきじょうか 地盤は、砂粒が網の目のようにつながった「骨格」と、骨格の隙間に満たされた水(間隙水)で力を支え合っています。地震時の揺れで砂粒の骨格が壊れされると、骨格が支える力を失い、水の中に砂粒が浮かんだ流動状態になります。これが液状化です。 リンク
39 噴砂 ふんさ 液状化の後に水や砂が地表に噴出する現象。骨格が壊れた地盤には、骨格が支えていた分の圧力が水にかかることになり、行き場を失った水は周りの砂を巻き込んで地表へ噴き出します。東日本大震災など多くの地震で見られました。 リンク
41 N値 えぬち 地盤の硬さを表す最も一般的な指標で、大きいほど強固であることを表します。対象とする地盤に重り(ハンマー)を落下させ、所定の変形が起きるまでの回数(N)を測ります。非常に柔らかい地盤では1から2程度、固い地盤では50以上になります。 リンク
42 柱状図 ちゅうじょうず 調査をもとに地盤の状況を柱状に描いた図。液状化リスクの判定や基礎の構造設計に利用されます。誰でも公的機関の公開データを見ることができ、当学会建築会館付近はシルトという粘土質の地盤とわかります(東京都DB)。 リンク
43 ライフライン らいふらいん 災害時の生存に欠かせないインフラ機能の総称で、電気、水道、ガスなどを指します。東日本大震災の例では、概ね復旧(9割)するのに要した時間は、電気6日、水道24日、ガス34日でした。復旧までの備蓄や非常用電源等の活用が重要になります。 リンク
44 事業継続計画 じぎょうけいぞくけいかく 企業などが災害時の事業への被害の影響を最小限にとどめ、迅速に復旧するための計画。経営戦略の一部として策定され、重要な経営資源や事業プロセスを識別して優先順位を設定、代替生産によって事業を維持することなどを計画します。 リンク
45 目標復旧時間 もくひょうふっきゅうじかん 事業継続計画の中では、特定の事業を復旧させるまでの目標時間(何日以内など)を設定します。事業への影響度合いと人員などリソースを考え、いつまで何割復旧させるかを定めます。さらに時間から逆算して復旧戦略を策定します。 リンク
46 帰宅困難者 きたくこんなんしゃ 大規模地震時に交通の停止によって帰宅ができなくなり多くの人が都心などに滞留すること。東京都は首都直下地震時に500万人の帰宅困難者が発生すると推計します。広域火災などの危険防止のため帰宅制限が行われることも想定されています。 リンク
47 耐震診断 たいしんしんだん 大地震時(震度6強程度)に建物が倒壊する恐れが高いか否かを判定する診断。調査および計算等により、建物の強度、粘り強さ、劣化度を指標化します。Is(RC建物)で0.6以上、Iw(木造)で1.0以上を安全、それ以下を補強の必要ありの目安とします。 リンク
48 保有水平耐力 ほゆうすいへいたいりょく 建物の耐震性の代表的な数値。建物が崩壊する寸前まで耐えられる地震力で表します。さまざまな計算方法がありますが、建物が自立できなくなるまで建物にかかる地震力を徐々に大きくする解析法(静的増分解析)が最も正確です。 リンク
49 耐震等級 たいしんとうきゅう 保有水平耐力の大きさを等級で表したもの。耐震等級1は基準どおり、耐震等級2は基準の1.25倍、耐震等級3は1.5倍の耐力を表します。上位等級ほど地震被害が少ないことは実証されています。税優遇される「長期優良住宅」の認定要件にもなります。 リンク
50 既存不適格 きぞんふてきかく 耐震基準など建築の法律は常に更新されており、法律の施行前に建てられた建物が法律に適合しなくなることを「既存不適格」と呼びます(旧耐震建物がその例)。法律は既存不適格を是正することを強制しませんが、安全上好ましくない状態です。 リンク
51 地理情報システム ちりじょうほうしすてむ 建物、人口、災害ハザードなど異なる空間情報を統合し、分析、可視化するツール。例えば建物と災害ハザードを重ねれば倒壊危険の高い建物が、人口と災害ハザードを重ねれば避難すべき人数がわかります。 リンク
52 微地形 びちけい 埋立地などミクロな土地の特徴を表現した地図。地盤の良し悪しに密接に関連します。図は東京と名古屋です。東京駅から東の八重洲地域は干拓地(紫)で、関東地震の際は周辺に比べ大きな揺れと被害が生じました。 リンク
53 プローブデータ ぷろーぶでーた 携帯電話や車両等からリアルタイムに取得できる位置・移動情報です。時々刻々の人口数は災害時の避難誘導や帰宅困難者対策に役立ちます。携帯電話による人口データの一部は、ほぼリアルタイムに公開されます。 リンク
54 デジタルツイン でじたるついん 都市空間・建築空間の情報を情報システムに写し取り、社会機能の高度な制御やシミュレーション、可視化につなげる考え方。こちらは公開プラットフォーム上で3次元の東京に浸水ハザードを重ね描いた図です。 リンク
55 木造密集市街地 もくぞうみっしゅうしがいち 木造住宅が建込み、倒壊や延焼危険が高い地域。細街路は消防活動も困難です。東京都では木造密集市街地が都市を取り囲み、大火災が都心からの帰宅や物流を阻むリスクがあります。都市計画上重点対策しています。 リンク
56 道路閉塞 どうろへいそく 地震時の倒壊瓦礫、土砂崩れなどによって道路がふさがれる・寸断されること。能登半島地震では、道路閉塞により多くの地域が孤立しました。対策のためには、道路を拡幅するか、沿道の建物や斜面等を耐震化することが必要となります。 リンク
57 2項道路 にこうどうろ 建築基準法上の道路の最小幅である4mを満たさない道。全ての建築物は道に接する法的義務があり、旧来の細街路も特例(2項)で道とみなされますが、地震時はリスクがあります。沿道建物を建て直す際には、道を拡幅することも義務付けられます。 リンク
58 緊急輸送道路 きんきゅうゆそうどうろ 救急や支援物資など緊急性の高い輸送を担うために国、自治体が指定する幹線道路。図は東海地域の場合。災害時は一般車両の交通が規制され、優先復旧されます。道路橋、沿道建物の耐震化も進められています。 リンク
59 くしの歯作戦 くしのはさくせん 東日本大震災を契機とした、道路の復旧戦略。被害の大きい湾岸地域よりも大動脈となる内陸幹線道路の復旧をあえて優先し、くしの歯のように沿岸へ復旧を広げることで、全体の復旧を迅速化します。今日、全国の防災計画で採用されています。 リンク
60 道路啓開 どうろけいかい 瓦礫などによって閉塞した道路に対して、発災直後から瓦礫の最小限の撤去などによって緊急処置的に通行可能にする復旧作業。その後、被災前の状況を元通りにするための応急復旧や本復旧が順次行われます。 リンク
61 道路橋 どうろきょう 阪神淡路大震災では、阪神高速道路の橋脚部(支え)が被害を受けました。道路橋の耐震化のため、橋脚の補強および落橋防止などを行います。耐震基準が改正された昭和55年以前の建設の橋は特に対策が必要です。 リンク
62 通れた道マップ とおれたみちまっぷ 自動車の走行データに基づき、通行実績のあった道路を可視化した公開地図。災害時は道路被害が不明で経路が手探りとなるため「通れた道」の共有が役立ちます。図は能登半島で、地震、雪の影響も把握できます。 リンク
64 リモートセンシング りもーとせんしんぐ 人工衛星などが持つ撮影技術と分析技術を用いて、離れた場所から被災地などの都市の状況を広域把握する方法。東日本大震災の津波浸水域の把握、能登半島地震の倒壊家屋の識別などに活用されています。 リンク
65 ドローン どろーん 操縦または自律飛行により撮影や測量を行える無人航空機。土砂崩れ・地震災害の現場、長大構造物などの被害情報の収集に活躍します。測量データを3次元可視化し、災害現場の状況把握と測量、復旧計画を支援します。 リンク
66 LiDAR らいだー ドローンや測量、自動運転車などに搭載される撮影したデータを3次元化する技術。カメラと撮影体の距離データを画像と結びつけ座標を与えることで、物体や空間を3次元データ化します。端末から「室内空間」を撮影して立体化した例です。 リンク
67 震災の帯 しんさいのおび 阪神淡路大震災において震度7の被害甚大地域が長さ20kmにわたり帯状に広がった現象。地震動の解析から、六甲山地の傾斜岩盤を回り込んだ振動と柔らかな堆積地盤の増幅が重なり合った結果と解明されています。 リンク
68 設計用地震動 せっけいようじしんどう 設計に用いる地震の波形。95年の阪神淡路大震災で揺れの増幅が場所の特徴に大きく影響を受けることが明らかとなり、2000年以降は敷地毎に地盤に即した解析によって地震動を作るよう厳密化されました(告示波)。 リンク
69 キラーパルス きらーぱるす 大きな加速度が建物に影響しやすい1-2秒の周期で短時間に発生する揺れ。断層の破壊やずれ動きが寄り集まって発生すると考えられ、直下型地震で発生しやすく、阪神淡路大震災では多くの木造建物を倒壊させました。 リンク
70 ディレクティビティ でぃれくてぃびてぃ 地震は、断層の破壊が開始点から広がることで起こります。自分に向かってくる救急車の音が高くなる(ドップラー効果)ように、破壊が進む前方の揺れは大きくなることをディレクティビティ効果と呼びます。 リンク
71 災害ボランティア さいがいぼらんてぃあ 災害時に被害の片付け・復旧や被災者のケア等を支援する有志活動。阪神淡路大震災では、全国から被災地に駆けつけたボランティアはのべ180万人と推定されており、95年は災害ボランティア元年と呼ばれます。 リンク
72 震災関連死 しんさいかんれんし 被災者が避難所での健康悪化など地震の間接要因によって亡くなること。阪神淡路大震災では900人もの関連死が生じ、その3割は高齢者への感染症(冬季インフルエンザの猛威)と推定されています。関連死防止も超高齢社会の重要な防災となります。 リンク
73 自助・共助・公助 じじょ・きょうじょ・こうじょ 阪神淡路大震災から考案された社会モデル。市民が自ら備えと行動で被害を最小化する”自助”、自力で困難な対応を市民が助け合う”共助”、市民が困難な領域の公的支援の”公助”ー相互連携が社会を強くします。 リンク
74 創造的復興 そうぞうてきふっこう 被災後”現状復帰”ではなく強靭化、高度化した復興を行う国際概念。災害を繰り返さず、持続発展性を高めます。能登半島のため地域・産業・都市あらゆる視点でBBBを実現する連携が必要です。 リンク
75 仙台防災枠組 せんだいぼうさいわくぐみ 国連防災機関が定める国際枠組。4つの優先行動: 1.リスクの理解、2.ガバナンス強化、3.リスク軽減の投資、4.対応力強化・創造的復興(BBB)を定め、全ての国、企業、市民等関係者が2030年を目標に推進します リンク
76 復興まちづくり ふっこうまちづくり 災害後は、地域と自治体が協働して新しいまちと生活のビジョンを描き、実現する必要があります。経験則の蓄積から、市民の方の合意形成や権利関係などの実務なども含め、綿密な枠組が定められています。 リンク
77 応急仮設住宅 おうきゅうかせつじゅうたく 災害救助法に基づく被災者の方への住宅供給支援。能登では約7,000戸が竣工。プレハブ工法によって迅速かつ時限的に供給されるもののほか、公的転用を含めて恒久利用し地域振興に役立てる方式も増えています。 リンク
78 事前復興 じぜんふっこう 平時から復興計画の大綱を定め、知識普及や合意形成も図る最新の考え方。災害後は、人手や情報の不足の中での多くの意思決定を伴うため迅速化を図ります。南海トラフ想定地域の先進的な自治体等が取り入れています。 リンク
79 避難場所 ひなんばしょ 津波や延焼火災など、緊急性の高い危険から即時に身を守るための場所。津波向け、火災向けなど危険別に避難場所が分かれる点に注意します。避難生活の場となる避難所(ひなんじょ)とは区別されます。 リンク
80 避難行動要支援者 ひなんこうどうようしえんしゃ 現行法は高齢者、障害者、妊婦、乳幼児など災害時に心身等に配慮が必要な方を要配慮者、特に行動支援が必要な方を「避難行動要支援者」と定めます。市町村は、要支援者の名簿作成など支援を強化しています。 リンク
81 福祉避難所 ふくしひなんじょ 要配慮者の高齢者、妊産婦、乳幼児の方の健康面を重視し、介護・バリアフリーや周産期ケア・保育などの環境・体制などが優れた避難所。一般避難所とは区別し、全国で9,000箇所以上が指定され、現在も拡充中です。 リンク
82 筋交 すじかい 木造建物の柱梁に斜めに掛け渡す重要な部材。柱、梁、筋交で作る三角形が固く丈夫な要素、耐震壁となります。筋交は大きな力を負担するため、阪神淡路大震災などの教訓から、破断や分解しない対策も重要です。 リンク
83 2000年基準 にせんねんきじゅん 阪神大震災を契機とした木造住宅の設計基準の2000年改正。1.地盤調査に基づく基礎の設計、2.柱梁すじかい接合部を金具で緊結し分解を防止、3.耐震壁をバランスよく配置し、ねじれ変形等による倒壊を防止-が主な点です リンク
84 壁量 へきりょう 耐震壁の長さの総和を必要量以上として耐震性を確保する、木造住宅等に利用される比較的簡便な設計法・指標。壁の強度に応じた「倍率」を長さに乗じ、すじかい、補強の入った壁は2倍4倍等でカウントします リンク
85 許容応力度計算 きょようおうりょくどけいさん 建物に重力や地震など外力が働いた際に部材に発生する応力度(単位当りの曲げや引張等)が許容値以下であることを検証する、構造計算の一般的方法。力学モデルを作成して解析、判定するなど、壁量計算に比べ検討は細かになります。 リンク
86 2025年建築基準法改正 にせんにじゅうごねんけんちくきじゅんほうかいせい 壁量で簡便に設計できる木造住宅の範囲(4号特例)を1階建200m2以下等に縮小し、構造計算、審査を詳細化する改正が4月施行されます。耐震強化、省エネに伴う設備重量増など社会変化に対応します リンク
87 DMAT でぃーまっと 災害時に機動的に活動する災害派遣医療チーム。阪神淡路大震災の教訓から医療の初動を強化する観点より、医師、看護師、調整員などで構成します。今日、広域搬送、避難所・病院支援など役割が広がりました。 リンク
88 災害拠点病院 さいがいきょてんびょういん 多発外傷など重篤な負傷者を受け入れ、高度な医療処置を行う拠点として整備、指定された病院。医療体制、耐震性、備蓄、自家発電設備などの厳格な条件があり、令和6年現在、全国で約700箇所が存在します。 リンク
89 トリアージ とりあーじ 災害時の多くの負傷者のうち救命措置の優先順位を決定し可視化する医療判定。治療が不要または猶予のある人に緑と黄色、最も緊急性のある人に赤色のタグを付します。災害時のリソースの中での切実な選択です。 リンク
90 性能設計 せいのうせっけい 95年阪神淡路大震災では、行政、医療等重要施設が被災し機能を停止しました。重要施設に高度な耐震性能を持たせ被害軽減と機能維持を行う性能設計の考え方が生まれ、2000年代頃免震制震等の先進技術が発展しました。 リンク
91 臨時情報 りんじじょうほう 過去の連動発生等の知見に基づき南海トラフ地震の発生確率の高まりを周知する情報。所定区域・規模の地震等に基づき調査を開始し、精査の上で注意・警戒を発出し、それに応じ行動準備や危険地域の事前避難を要請します リンク
92 地震火災 じしんかさい 阪神淡路大震災では約300件もの出火が発生し約7000棟が全焼、559人の方が亡くなりました。出火確率と倒壊確率は比例的関係にあり、木造の倒壊激甚地域の瓦礫が消防を阻みました。能登輪島地域も同様の課題がありました リンク
93 通電火災 つうでんかさい 阪神淡路大震災では、電力復旧に伴い通電したコードや家電が原因となる出火が再三発生し、火災を長期化させました。今日揺れで電源を遮断する感震ブレーカーが推奨され、既存分電盤、コンセントに簡単に導入可能です。 リンク
96 ドロネー三角分割 どろねーさんかくぶんかつ 標高、震度など点データの間を埋め面に分割する代表手法。「分割済の2点の外接円を含む点を追加」を繰返し、いびつさが少ない(最小角が最大の)解を得ます。ボロノイ分割から直接変換できる数学的関係もあります リンク
97 重力モデル じゅうりょくもでる 「2地点間の人流量が人口の積に比例し距離の2乗に反比例する」法則。引力が質量の積に比例し距離の2乗に反比例する物理法則のアナロジー。移住、来店者数、避難者数など幅広に適合し都市、経営、防災領域に応用します リンク
98 MOWLAS もうらす 網羅的かつ即時に災害現象をとらえるため、阪神淡路大震災以降主に陸部の1900箇所以上の地震観測網が、東日本大震災以降主に沖合の津波観測網が整備され「陸海統合地震津波火山観測網」となり、今日に至ります リンク
98 地震計 じしんけい 揺れを観測し記録する装置。振り子状の構造によって、揺れる部分(大地)と空中静止する部分の動きの差をとる原理です。かつての振り子のペン先で線を描く機械式から今日電磁誘導で電気的に測定する方法等に発展しました。 リンク
99 S-net えすねっと 東北地方の津波を沖合でいち早く捉える広大な海底観測網。1周が800km以上(仙台から大阪の距離)のケーブルと地震・水圧計からなるシステムを6セット張り巡らせ、のべ5,500km、150の観測点を陸上につなぎます。 リンク
100 関東大震災 かんとうだいしんさいたいしょうかんとうじしん 約100年前の1923年9月1日に発生した相模湾付近を震源とするM7.9の地震。10万人が亡くなり20万棟が焼失。当時東大の地震計が、針が振り切れながら揺れを記録し、現代でも復元と解析に利用されています リンク
101 高感度観測網Hi-net こうかんどかんそくもうはいねっと 遠方の地震伝播など微小な揺れをとらえる観測網。地表のノイズ振動の影響を避けるため100m程度の深さまで掘削し設置します。ノイズの大きい都市部等では3000m以上の深度とする箇所もあります。 リンク
102 空洞探査 くうどうたんさ 身体にエコーを当てる診断と同様に、地中の空洞や埋設物をレーダー反射から掘削せず(非破壊に)推定します。車載式で走行しながらリアルタイムに分析する技術も今日実用化され、インフラ管理の高度化・効率化に重要です リンク
103 トモグラフィー ともぐらふぃー X線の多面照射で身体の断面を描くCT検査と同様の原理で、地中・地表に設営した機器で地盤の電気抵抗等を解析し、地中の構造や空洞を可視化します。より深く詳細な画像を得る「精密検査」です。トモは断面の意。 リンク
104 マイクロゾーニング まいくろぞーにんぐ 地盤の周期などの分布を調査し地盤特性を詳細に把握すること。地表から可搬な機器で常時微動を計測し分析する方法のため国内外を問わず汎用性が高く、地盤調査データの少ない海外でも活用されてきました リンク
104 常時微動 じょうじびどう 平時に人工振動、波浪などが生じさせる極めて微弱な揺れ。一般的にはノイズですが、高感度の機器で測定、解析することで地盤の硬さや揺れの周期、地層構造を推定できることが知られており、有用なデータです リンク
105 構造ヘルスモニタリング こうぞうへるすもにたりんぐけんちく 建物に地震及び微動のセンサーを取り付け、観測された揺れや周期の変化から目視点検などを経ずに建物の健全性(被害の有無や劣化)をリアルタイム判定する技術。応急対応や事業継続に役立ちます リンク
105 フーリエ変換 ふーりえへんかん 地震動や微動から周期などの特徴を分析するため、複雑なデータを「サイン関数の足し算」に変換する代表的手法。周期別の波の大きさとして解釈できます。データ量も大きく減らせるため画像圧縮技術にも応用されます リンク
106 構造ヘルスモニタリング こうぞうへるすもにたりんぐきょうりょう 橋の揺れやひずみ、劣化につながる気温湿度を監視し、常に振動と外的環境にさらされる橋梁の構造の健全性をリアルタイムに診断します。長大構造物の安全管理を高度化、効率化する技術です。 リンク
107 構造ヘルスモニタリング こうぞうへるすもにたりんぐ 高精度のひずみ計測と気温、潮位などをセンサーで監視し、常に土圧、水圧を受けるトンネルの健全性をリアルタイムにとらえる技術。異常を早期に検知して低コストかつ低リスクに管理を行います リンク
108 座屈拘束ブレース ざくつこうそくぶれーす 金属がある引張・圧縮力を超えると大きく伸縮しながらエネルギーを吸収する性質(塑性)を応用した制震装置で、芯の金属とたわみ防止の外殻の二重構造。骨組に斜めに掛け渡し、新築、改修工事にも適用が可能です リンク
109 弾性・塑性 だんせい・そせい 力を受けた金属は、ある所までは力を抜くと元通りになり(弾性)、それ以上は変形が残ります(塑性)。原子のすき間が伸縮しさらに組み変わる変化です。構造上は弾性を無損傷の基準、塑性をエネルギー吸収の余力とします リンク
110 低降伏点鋼 ていこうふくてんこう 通常の鉄鋼よりも小さな力で降伏(塑性化)する特殊な鉄鋼。壁や斜め材の制震部材として他の骨組より先に変形し地震エネルギーを吸収することで骨組を守ります。鉄鋼は含有炭素量が少ないほど柔軟になります。 リンク
111 床式免震 ゆかしきめんしん 建物を免震化する免震構造に対して、中央サーバー、精密機械など重要な機器のある部屋単位で局所に免震を導入する方法。柔らかな素材または空気ばね等によって床を浮かせ機器に影響する水平上下の揺れを抑えます。 リンク
112 弾性すべり支承 だんせいすべりししょう 滑りやすい金属面に柔らかな積層ゴムを乗せて構成する「二重」の免震装置。中規模の地震では上の積層ゴムが変形して揺れを吸収し、大地震では金属の摩擦抵抗を超え装置が滑り出して免震効果をさらに高めます。 リンク
113 エキスパンションジョイント えきすぱんしょんじょいんと 免震構造では建物-地面の数十センチのずれ移動による骨組の衝突を避けるため、十分なすき間と人の落下防止のためのふた状のつなぎを設けます。デザイン上は目立ちませんが外構全周に見受けられます リンク
114 中間層免震 ちゅうかんそうめんしん 底部に免震層を設ける一般の基礎免震に対して中間階に免震層を設ける方法。外構のエキスパンションを不要とし、施工を合理化、既存建物の適用性も高めます。ただし中間層を貫通する配管、昇降機のずれ対策は必要です リンク
115 アクティブ制振 あくてぃぶせいしん 建物が揺れようとする動きを検知して、打ち消すおもりなどの駆動力(アクチュエーション)を起こし建物を安定させる技術。地震や、通常の風に対する揺れにも有効であり、制震ではなく制「振」と表記しています。 リンク
116 災害食認証 さいがいしょくにんしょう 災害食は長期間に品質と栄養価を維持し、災害時は多様な体質の方が安全かつ手軽に食べられる必要があります。日本災害食学会が規格を満たす商品の災害食認証制度を創設し、10年間で現在約300商品が認証されています。 リンク
117 プッシュ型支援 ぷっしゅがたしえん 発災直後、食糧などの物資を被災自治体からの要請を待たずして供給を行う支援の方法。被災自治体が情報収集や応援要請さえ困難になる場合の対策です。徐々に要請に基づく「プル型」のステージに移行します。 リンク
118 指定公共機関 していこうきょうきかん 物流、インフラなど災害時の重要な機能の提供に協力する民間企業や組織。100以上の機関が指定され、災害時は宅配など物流事業者が緊急輸送車に、コンビニやデパートなどの小売業が生活物資の担い手となります。 リンク
119 岩手方式 いわてほうしき 東日本大震災では物流拠点が広域に分散し不効率や人員不足を生じました。岩手県では現地事業者と自治体が連携し、公共の大ホール”アピオ”に拠点を集約して解消し、今日の標準方式「広域物流拠点」の原型となりました。 リンク
120 フィジカル・インターネット ふぃじかる・いんたーねっと 物流に「インターネット」の考え方を取入れ、バラバラの輸送を方面ごとに一つにまとめ(パケット)、代替経路も動的に割当て、効率化・強靭化する概念。平時、災害下の大量輸送にも重要となります。 リンク
121 緊急支援物資 きんきゅうしえんぶっし 災害時は、内閣府を起点に農水省(食料)および経産省等(物品)の発注が行われ、指定公共機関の運送各社、都道府県、市町村のバトンにより避難所への輸送が行われます。過去の教訓から連携拠点の整備も進んでいます リンク
122 受援計画 じゅえんけいかく 被災自治体の業務量は内部人員の容量を超え、多くの外部支援(職員、ボランティア、物資、情報)を必要とします。支援を迅速に受ける窓口、管理体制の準備の重要性が近年認識され「受援計画」として整備されています。 リンク
123 ハザードマップ はざーどまっぷ 地震、水害など見えない危険要因を地図上に可視化したもの。地震ハザードは国内はもとより、トルコ、台湾をはじめ持続可能な発展に向けて世界で標準化された方法で研究され、「世界地図」が公開されています。 リンク
124 リスクモデル りすくもでる リスクが危害を及ぼすハザード(地震、津波..)と受けるエクスポージャー(人、都市..)が遭遇して起こるとみる最も一般的概念。ハザードを封じるか、エクスポージャーを安全な場所に逃すことがリスク削減の基本です リンク
125 バルネラビリティ ばるねらびりてぃぜいじゃくせい リスクをハザード、エクスポージャー、バルネラビリティ(脆弱性)の3つの重なりと考えるモデル。ハザードを受ける建物や人の脆弱さ(耐震性、身体力..)を支援や補強で強化してリスク軽減を図ります リンク
126 プレッシャー解放モデル ぷれっしゃーかいほうもでる 災害リスクの社会モデル。社会の脆弱さは、社会経済の不全などの「根源」が貧困や知識不足などの「動圧」を生み増大する、と見ます。目前の対策のみならず「根源」から取除く重要性を主張します リンク
127 レジリエンス れじりえんす 日本語では「しなやかさ」。OECD の防災ガイドラインは、社会が「小規模の変動を解消し、中規模の変動へ順応し、大規模の変動に自己変革して適応する」能力全体と定義します。経営やメンタルの適応にも共通します リンク
128 ショック&ストレス しょっくあんどすとれす 都市の持続可能な発展に向け、リスクとなる地震・洪水などの突発的「ショック」と、気候変動や作物の減少・人口減少などの慢性的「ストレス」の両方に着目する考え方。これらに打ち勝つ適応力を高めます。 リンク
129 レジリエントシティ れじりえんとしてぃ 突発災害から気候変動への長期適応まで、政策、インフラ、環境、福祉など全方位で適応力に優れた都市を米国財団が世界から100程度選抜し、戦略を支援しています。日本では京都市と富山市が選ばれています。 リンク
130 レジリエンス性能 れじりえんすせいのう 建物機能、事業活動など保有性能の低下(グラフのくぼみ)をできるだけ小さく軽減することを目標とする考え方。抵抗力を向上させる、または回復を迅速化する観点でレジリエンスを高める対策を行います。 リンク
131 すべり量分布 すべりりょうぶんぷ 地震の揺れ等を解析し断層上のすべりの範囲や量を推定でき、想定地震の発生の判定、地震規模の算出に役立ちます。すべりを濃淡(矢印)で示す表現が一般的で、東日本大震災は長さ450km、最大すべり量30mに及びました リンク
132 距離減衰式 きょりげんすいしき 多くの観測記録をもとに、マグニチュードと震源から観測した場所までの距離などの統計的関係を表したもの。マグニチュードから場所の揺れの強さを予測する、逆に揺れからマグニチュードを推定する際に応用できます。 リンク
133 表面波 ひょうめんは 地中を伝わるP波S波に対して地表のみに発生する波。岩盤をおわん、中の軟らかな地盤を水と見立てたとき、表面波はおわんにとらえられ、水面全体にゆっくりした波紋が増幅します。これが盆地で増幅する長周期地震動です。 リンク
134 気象庁マグニチュード きしょうちょうまぐにちゅーど 揺れの振幅と地震規模の関係(距離減衰式等)から推定するマグニチュード。迅速に計算でき「臨時情報」の初動判定にも用いますが、巨大地震では揺れの強さが頭打ちになり誤差が生じる場合があります。 リンク
135 モーメントマグニチュード もーめんとまぐにちゅーど 地震波形から断層の方向やすべり量の分布等を精密に解析して求めるマグニチュード。Mjに比べ計算時間を要しますが、巨大地震にも評価精度は高く、「臨時情報」の調査の最終判断にも用います リンク
136 グーテンベルク・リヒターの法則 ぐーてんべるく・りひたーのほうそく 地震活動の分析の基礎になる「大きな地震ほど発生頻度が少ない」関係を表し、マグニチュードが1大きくなるとその頻度は約10分の1になります。頻度の対数をとるとデータは直線にきれいに並びます リンク
137 大森公式 おおもりこうしき 「余震の発生頻度が本震後の経過時間に反比例する」関係を表す式。厳密には反比例に近い「べき乗」ですが、本震から3日目の一日の余震が100回ならば、6日目、9日目..には50回、25回..と減少すると概ね予測されます。 リンク
138 複雑系 ふくざつけい 地震の数学モデル。「ランダムに砂粒を置く」「ある高さ積み上がると崩れて広がる」の単純ルールを繰り返すだけで、連鎖して崩れる粒の数と頻度はグーテンベルク・リヒター則に沿う(創発)ことから複雑な現象を類推します リンク
139 津波てんでんこ つなみてんでんこ 「津波の際は各々が他者に構わず逃げよ」という伝承上の教え。自助的な避難の率先と、他者の避難の誘発による共助、信頼形成、自責の念の軽減等多くの社会的意味が研究されています。 リンク
140 災害文化 さいがいぶんか 災害の伝承、記録、建造等によって災害を人々の意識の中に織り込み災害観を定着させること。その代表「災害伝承碑」は大津波を伝える東北沿岸をはじめ、全国2200件が地図のように存在し、過去を伝え続けています。 リンク
141 多重防災型まちづくり たじゅうぼうさいがたまちづくり あらゆる規模の津波を防潮堤などハード防御で防ぎ切るのではなく、ハード防御を超えるレベルを避難施設や移転などソフト対策でカバーする考え方。ハード、ソフトでバランスをとり全体の防御力を上げます リンク
142 防災集団移転促進事業 ぼうさいしゅうだんいてんそくしんじぎょう 災害危険地域から高台などの安全地域へコミュニティを保ち経済的に補助を受け移転する制度。東日本大震災より295地区3万7千戸が移転しました。ハザードから離れリスク(No.124)を削減する根本的対策です。 リンク
143 震災遺構 しんさいいこう 教訓の伝承を目的に被災建物および周囲を保存・解説し、意義と価値を生むこと。建物とともに、津波到達レベルを「道」として外構に表現し、建築家と協働して伝承施設を整備するなど、地域毎の工夫がなされています。 リンク
144 津波石 つなみいし 大津波の巨大な波力によって陸上高くに打ち上げられた岩石。2-3mの巨岩が数十mまで登り上がる場合もあり、津波の規模を検証する地震学的「科学事実」と津波の跡を永年伝承する「震災遺構」の意味を持ちます リンク
144 語り部 かたりべ 自らの被災体験を聴衆、社会に語りかけ、伝承と生きた知識につなげる活動。東日本大震災の幼少体験を成長を経て現幼少世代に伝えるなど、記憶の循環を志に取り組まれる方もおられます(動画は2年前です) リンク
145 歴史地震 れきしじしん 観測記録の無い時代の地震・津波を史料から科学的に研究する領域。平安時代の『日本三代実録』に869年東北で「原野がすべて大海原になった」と記述があり、貞観地震(三陸沖M8.3)の津波を表すものとして注目されました リンク
146 津波堆積物 つなみたいせきぶつ 津波によって海洋生物などを一部含む土砂が地面をおおい、地層として保存されたもの。歴史文書の研究と組み合わせて、東北地方もしくは東海・東南海地域等の津波の歴史研究の重要な検証材料となります。 リンク
147 津波増幅 つなみぞうふく 地震動と同様に津波も地形の影響を受けます。リアス式海岸のようなV字型地形では、エネルギーが集中し湾の奥の波高が高まります。岬の先端も波の方向変化(回折や屈折)によってエネルギーが集まり波高が高まります。 リンク
148 津波予報データベース つなみよほうでーたべーす 津波の予報にあたり津波の複雑な動きを広大な領域で解析することは大変時間がかかります。事前に膨大な数のシミュレーションを実施し地震時に条件が近しいケースを参照し、2,3分以内の即時予報を実現します リンク
149 津波伝播速度 つなみでんぱそくど 地震動が硬い地盤ほど速く伝わるのに対し、津波は水深が深いほど速く伝わります。その速度は水深の平方根に比例し(浅水波理論式)、深海ではジェット機、陸上付近では自動車の速度で進行しながら波高が高まります。 リンク
150 グリーンの法則 ぐりーんのほうそく 津波の高さは、浅瀬での波の速度低下と引換えに高まります。津波の高さは水深の4乗根に反比例し、水深100mでの1mの津波は、浅瀬の水深1mでは高さ約3.2mに増幅します。この法則が津波予報に活用されています。 リンク
151 津波火災 つなみかさい 流出燃料、瓦礫を介して海上で火災が広がること。油は水に浮き、燃えるのは揮発成分のため、水上でも火は消えません(写真は実験)。東日本大震災で多数見られ、瓦礫の摩擦静電気など発火過程が研究されています。 リンク
152 基礎 きそ 構造設計は重さや地震など建物が受けた力を安全に地盤に流すことが終着点です。基礎には硬い支持層に底面を載せる直接基礎、杭を支持層まで下ろす杭基礎、途中まで杭を下ろし杭の摩擦力も利用するパイルドラフトがあります リンク
153 現場造成杭 げんばぞうせいくい 建築現場で全てを組み上げる杭。掘削機(アースドリル等)により支持層まで掘削し、組み上げられた鉄筋(鉄筋かご)を下ろし、コンクリートを流し込みます。経済的ですが、多くの手順を踏み工程は長くなります。 リンク
154 電流値 でんりゅうち 杭基礎では、支持層まで施工が万一到達しない場合、建物の沈下などの品質事故につながります。掘削する駆動装置の電流抵抗値を深さ方向で調べて支持層を確認することができ、品質管理上の重要な証跡になります。 リンク
155 既製杭 きせいくい 杭を事前に工場で生産し、現場で杭を埋込む、又は打込む方法。現場造成杭に比べ、コストはかかりますが、工程数は少なく工期の短縮を図れます。ただし杭の長さを現場で変更できない点は施工上注意が必要です。 リンク
156 格子型地盤改良 こうしがたじばんかいりょう セメントを混合して作る硬い改良体を、液状化の可能性のある地盤にマス目状に造る特徴的な改良方法。地盤の液状化はゆれによって地盤が変形を繰り返して起こるため、「囲い込み」で効果的に抑制する考えです。 リンク
157 地下水低下工法 ちかすいていかこうほう 液状化は地盤が含む水の水圧の上昇で起こるため、地下水位を下げて根本原因を取除く対策です。既存市街地にも面的に適用できます。地域計画と住民の連携、地盤・インフラの技術連携も鍵になります(事例は熊本市) リンク
158 薬液注入工法 やくえきちゅうにゅうこうほう 液状化の可能性のある地盤に、固化させる薬液(水ガラスや高分子樹脂等)を注入する地盤改良。一般に既存建物の直下の改良は困難ですが、管を既存建物の直下に回り込ませ施工する技術など適用範囲が広がっています。 リンク
159 PGA(最大加速度) ぴーじーえー さいだいかそくど ゆれの強さの標準的指標で、地表の地震動の加速度の最大値。単位はcm/2またはgal(ガル)。阪神淡路大震災891gal(気象庁)等が知られています。国際的に用いられ、重力加速度980galとの比gで表す場合もあります リンク
160 継続時間 けいぞくじかん 揺れが続く時間の長さで、地震規模が大きいほど(断層破壊面が広いほど)長くなります。地盤建物が受けるトータルのエネルギーも大きくなります。地盤液状化は砂の変形の繰返しで発生するため、継続時間が特に影響します リンク
161 ビルディングコード(設計基準) びるでぃんぐこーどせっけいきじゅん 各国が定める構造物が満たす基準。ミャンマー国家基準(2020)では地震、サイクロン、洪水などの外力の地域性が反映されています。工学的記述方法は概ね世界共通言語となっています(図は荷重の例) リンク
163 ベースシアー べーすしあー 設計上、建物が地震から受ける力(層せん断力)を求めるため重量に乗じる係数。耐震設計の観点で、想定する地震の大きさの目安となります。 規準化して各国の耐震レベルを比較することができます リンク
164 応答スペクトル おうとうすぺくとる 地震動のゆれの強さを周期別に可視化する図。ある地震動で周期の異なる沢山の建物モデルをゆらす解析を行うと、ゆれ方は大小があります。周期を横、ゆれを縦にとりつなぐと、ゆれやすい周期が山で表現できます リンク
165 SAR解析 さーかいせき マイクロ波を利用し人工衛星から地上の状況を把握する手法。雲を透過することができ、気象の影響を受けずに正確な分析が可能です。日本の衛星がミャンマーの地表変位をとらえています(国土地理院) リンク
166 ソーシャルメディア解析 そーしゃるめでぃあかいせき 災害時にSNS上で発せられた大量の被害の目撃情報や状況、感情などを言語解析・画像解析して、空間情報と組み合わせ解析、可視化する技術。災害時の情報把握、判断の迅速化、高度化が期待されています。 リンク
167 HAPS はっぷす 航空機を超える高度20km程度を飛ぶ無人飛行体を介して高速通信を行う通称「空飛ぶ基地局」。地上の状況に依存せず通信でき、災害時の通信維持や発展途上国への展開にも期待されます リンク
168 衛星コンステレーション えいせいこんすてれーしょん 多数の人工衛星を連携して通信、観測等を行う技術。低軌道を周回する、ローカルに高速通信が可能な衛星をつなぎ地球をカバーします。コンステレーションは星座の意で、数千機規模で実用化されています。 リンク
169 移動基地局車 いどうきちきょくしゃ 衛星通信、ユーザーへの仲介、電源機能を備えた、通信車両。災害時の通信途絶の緊急カバーとしてキャリア各社が被災地に導入します。平時も大規模イベントの通信量の補完として、特別デザインを装備し出動します。 リンク
170 V2H ぶいとぅえいち 電気自動車の蓄電機能を逆利用して災害時に家屋や避難所等に電力を輸送・供給する技術。平時もエコ技術として有効です。「走る蓄電池」として災害国日本独自に開発し、海外進出しています リンク
171 非常用電源車 ひじょうようでんげんしゃ ディーゼル、ガスタービンなどの発電の内燃機関を持ち、災害停電時の電力のバックアップのために被災地に導入される車両。中型、大型では、一般住宅の数百〜千戸分相当の電力を発電する「走る発電所」になります。 リンク
172 アーチ橋 あーちきょう 美しい放物線型の骨組をかける橋の構造。古代から多用され、材料の圧縮力を中心に橋を支えます。水平な梁の曲げモーメント分布を反転したような曲線形は、生じる曲げ応力を打消す工学的解です リンク
173 吊橋 つりばし ケーブルと張力を構造の主体とする長大スパンに適した橋。今日でも世界2位のスパン1991mを誇る明石海峡大橋は、建設中に発生した阪神淡路大震災の断層ずれでスパンを延長再設計し98年竣工しました リンク
174 ラーメン橋 らーめんきょう 構造では小麦製の麺類ではなくドイツ語Rahmen(枠)を指し、曲げ、圧縮に耐える剛な骨組で橋を構築します。 代表例の新阿蘇大橋は、熊本地震で落橋した橋の復興に橋げたブロック大型化等の工夫で工期短縮も図りました リンク
175 トラス橋 とらすきょう 鉄骨などの軸材を「三角」に連続してつなぎあわせた形状を用いる橋の構造。材の圧縮、引張力のみで力を伝え、三角はあらゆる方向の変形振動に安定しており、長い橋げたでも、細く軽量で美しい、安定した構造になります リンク
176 斜張橋 しゃちょうきょう 支柱と斜めに直線的に張った多数のケーブルから橋を支える構造。日本最大の斜張橋「多々良大橋」(支柱間890m)はケーブルの風振動に対する制振のための特殊ケーブルを用い、近年ダンパーによる制震補強も行われました。 リンク
177 マルチボディ・ダイナミクス まるちぼでぃ・だいなみくす 異種の部材間の複雑な振動や伝わり方を動的にシミュレーションする手法と考え方。橋梁のケーブル、橋げた、支柱などからなる複合構造物の全体の挙動を精度良く解析し、設計するために有効です。 リンク
178 逆さ吊り実験 さかさづりじっけん 吊橋にも表われる「糸を垂らした形(懸垂曲線)」は、材の曲げがゼロになる理想状態です。天地を逆さにすると曲げの生じない合理的な屋根型になり、建築家ガウディはこれを応用し創造的で工学的なデザインとしました リンク
179 地震地域係数 じしんちいきけいすう 建築基準法では、地震のリスクの高さを地域(市町)毎に定める0.7〜1.0の地震地域係数(Z)を設計外力に乗じて考慮します。静岡県はZ=1.2を条例で定め2017年には義務化し、より高い耐震性を独自に目指しています。 リンク
180 全壊率曲線 ぜんかいりつきょくせん 震度に対して建物が全壊する割合を統計に基づき求めたもの。被害の予測に利用し、最新の南海トラフ巨大地震被害想定では、木造の中でも耐震性の差を考慮し建築年代別の6種類に細かに分けて全壊数を算出しています。 リンク
181 避難者数 ひなんしゃすう 地震直後、家屋被害と断水停電から避難者数が急増し、復旧と仮設住宅建設等に伴い減少します。東日本大震災では最大47万人でした。南海トラフ地震では都市の被害要因と時間経過の影響を考慮した想定が行われています。 リンク
182 帰宅困難率 きたくこんなんりつ 大都市は地震の公共交通停止により多くの帰宅困難者が発生します。帰宅距離が長いほど帰宅は困難で、東日本大震災では25kmで50%、50kmで100%の人が帰宅困難となったデータが南海トラフ地震の想定に適用されました。 リンク
183 道路閉塞率 どうろへいそくりつ 建物倒壊の瓦礫は道をふさぎ救急や物流を困難にします。そのリスクは道路幅が狭いほど(倒壊率が大きいほど)高まります。阪神淡路大震災の研究が南海トラフ地震の想定に応用され、場所毎の閉塞率が推定されています。 リンク
184 津波到達時間 つなみとうたつじかん 南海トラフ巨大地震想定では、津波の伝播を数値解析(最小10mまで)で詳細に計算し、避難猶予の到達時間を求めています。太平洋側の多くで10分以内で襲来し、瀬戸内海など内海へも時間差で到達する点に注意します。 リンク
185 スケーリング則 すけーりんぐそく 断層の大きさ(スケール)に対する地震時のずれの量、エネルギーなどの経験的な関係。南海トラフ地震の想定では断層の東側、西側の部分が段階的に破壊するいわゆる「半割れ」の前提にも用いられ、様々な発生パターンを合理的に設定できます リンク
186 有限要素法 ゆうげんようそほう 構造物、機械等の変形や損傷を詳細に解析するため、忠実な形状を要素分割で表現する手法。要素間の膨大なつり合い方程式を繰返し解き、目的に応じ物性の変化や破壊の広がり等を考慮して、精緻な解析ができます リンク
187 質点系モデル しつてんけいもでる 建物等の複雑な構造物を質点(しつてん)という重さの塊と、復元力や減衰を表す「ばね」で表現する汎用モデル、通称「串団子」。一般に、地震の揺れは階の横ずれの動きが主となり、合理的なモデルとなります。 リンク
188 有限差分法 ゆうげんさぶんほう 物理解析のため要素ごとに微小時間の変化を繰返し計算する方法。波動方程式に基づく津波伝播など大規模な数値解析に適し、連立式を解くFEMに比べ一般に高速ですが、分解が粗いと誤差が拡大するため留意します。 リンク
189 動的相互作用 どうてきそうごさよう 地震時の地盤と建物は、お互いに押す・押し返すという双方向の力のやりとりを繰返し、複雑な運動と変形を生みます。そのような現象の解析には、FEMのように地盤建物の全体像を表現できる手法が多く活用されます。 リンク
190 動力学モデル どうりきがくもでる 断層の破壊開始、ずれ動き、揺れなどの現象を検証するため、地中の応力と断層面のすべり摩擦などの物理法則を導入した解析モデル。観測事実と照らし地震のメカニズムを理論的に検証する、近年発展した領域です。 リンク
191 群集シミュレーション ぐんしゅうしみゅれーしょん 避難行動の精緻な解析に用いる、人同士の相互作用(衝突回避や減速)を取り入れたモデル。個々に行動規則を与えるだけで全体の複雑な動きを解析できます。鳥の行動研究から着想したBOID(ボイド)が著名です リンク
192 延焼シミュレーション えんしょうしみゅれーしょん 火災が発生した建物からの輻射熱と距離、隣地の耐火性能をもとに火災の広がりを計算し、被害想定、対策に利用します。空地などの焼け止まり効果、防火地域など都市計画の効果を評価するためにも有効です。 リンク
193 防火地域 ぼうかちいき 平時、災害時の大火災を防ぐため、地域の人口・交通の密集度に応じ耐火性能を高める義務が課せられます。防火地域では一定規模の建物は耐火建築物に、準防火地域でも戸建を含む全ての建物に防火措置の指定があります リンク
194 うだつ うだつ 伝統的な商家建築等に見られる防火の知恵。隣家屋根との境界に高い防火壁を設け、延焼を防止します。 うだつのある高機能の建物は地位と富の象徴であり、出世に苦労する慣用句「うだつが上がらない」の語源です リンク
195 適材適所 てきざいてきしょ 木の幹の各部には、硬く全方位の力に強い部分(中央)、一方向に強い部分(側部)、木目が美しい部分(周面)など特性があります。それを丁寧に考え、建物の柱、すじかいなど各部に活かすことが「適材適所」の語源です。 リンク
196 大黒柱 だいこくばしら 伝統家屋の中央に位置し、構造の中心的役割を果たす長大な柱。生業の神・大黒天に由来し、ヒノキなどの耐震・耐久性に優れる高質木材を用います。転じて「家を支える主、組織の中心人物」を表します。 リンク
197 心柱 しんばしら 五重塔が有する頂部まで貫通した柱。各層とはすき間を保っています。地震の際に塔は大きな曲げを受けますが、各層が変形し浮き上がりつつ、心柱がガイドし押返すことで、地震力を受け流し揺れを抑えます。 リンク
198 輪中 わじゅう 岐阜などの水害多発地域に防災を目的として自律的に成立した堤防都市。全周の堤防のハード防御とともに、優れた給排水の仕組を持ち、住戸に緊急用の船(上げ船)を備えるなど全方位の知恵が織り込まれてきました。 リンク
199 路地尊 ろじそん 伝統的な路地を守るため、市民が雨水を共同貯留し防災消火や生活中水(水やり等)として共用する水の地域文化。雨水を溜める「天水桶」の知恵をもとに東京下町に始まり、今日も地元愛とともに持続されています。 リンク
200 フェーズフリー ふぇーずふりー 防災の浸透のため日常と非常の境界を無くし、平時から一貫して役立つデザイン。災害時「かまど」に変わるベンチ、「バケツ」に変わるバッグ等の機能変換や「雨の中で書けるペン」など機能性の高い商品が例です リンク
201 リスクマネジメント りすくまねじめんと 起こる確率と被害影響が異なる様々なリスクに適切に対応する観点から2軸でリスクをマップ化します。確率が高く防げる危険は積極対策で低減、確率は低いが対処困難な激甚被害は保険で移転など、4区分です。 リンク
202 再現期間 さいげんきかん 同規模の地震動等が次に起こる年月の間隔。平均再現期間100年は100年に1度程度再来する意で、人のライフサイクルに合わせ「今後50年で39%」等と適宜換算します。振り子など繰り返し現象の「周期」に類似した概念です。 リンク
203 時間予測モデル じかんよそくもでる 地震発生は断層にひずみがたまり、ずれて解放される繰返しであるため「断層のずれが大きいほど、次の地震が起こるまでの年月が長くなる」と予測するモデル。時間と断層ずれの量の階段状の関係から予測を行います リンク
204 BPT分布 びーぴーてぃーぶんぷ 「30年以内に発生確率75%」などの確率の高まりを評価するため、前の地震発生からの経過年月と起こりやすさの関係を示す確率分布。想定期間の幅に入る山の面積(B)の全体(B+C)に占める割合で求め、確率は年々高まります。 リンク
205 アスペリティ あすぺりてぃ 「ざらざら感」を意味し、プレート境界の中で動きに抵抗して力をためる特定場所が繰返し地震を発生させるとみる、地震メカニズムの近年の概念です。つるつる滑る大部分に比べて接触面の構造が異なると考えられます リンク
206 スロースリップ すろーすりっぷ 通常の地震発生域の周辺部でプレートが滑りやすい場所で起きる、ゆっくりで静かな滑り。高感度の観測網でとらえます。ひずみが高まる前兆の可能性として、今日南海トラフ臨時情報の判断に用います リンク
207 ダブルカップル だぶるかっぷる 震源に「断層がずれる」ことで発生する力は、断層に沿う方向と直交方向の2方向の行き違う力で表現でき、ずれと押引きのP波、S波が4方向に放射されます。地震の断層方向やタイプを分析する、標準的な考え方です リンク
208 プレートテクトニクス ぷれーとてくとにくす 大陸は、地球深部の流動の影響を受け浮島のように衝突分離を繰り返すという理論。1912年ウェゲナーが提唱し60年代に実証されました。動画コマの1Maは百万年前を表し300Maごろから日本列島の源が発生します リンク
209 プルームテクトニクス ぷるーむてくとにくす 大陸に着目するプレートテクトニクスに対して、深部マントルの対流(プルーム)の働きに着目する領域。90年代頃より発展し複雑な挙動が解析、研究されています。plumeは一般に「巻き上がる煙や雲」の意です リンク
210 火山性微動 かざんせいびどう 火山の活動により生じる微弱な揺れ。通常の地震動が初期微動と主要動に分かれるのに対し、火山性微動ではマグマなど流体がめぐり「脈打つ」ような繰返しが特徴の一つです。活動の活発化を観測網で監視します。 リンク
211 降灰予報 こうはいよほう 天気と同様に、噴火した火山の噴出量、風向きを元に噴石や降灰の分布を気象庁が3時間毎の単位で予測し、地図上に掲示しています。降灰の広さがわかります。巨大な噴火では社会影響と危機管理に重要な情報となります。 リンク
212 付加体 ふかたい プレートが沈み込む中でプレート上の島や堆積物が沈み込み先に取り付き、盛り上がった部分。日本列島の土台の多くも3億年前ごろ付加体として形成されたと考えられ、陸上の岩石から海洋微生物が発見されます リンク
213 火山調査研究推進本部 かざんちょうさけんきゅうすいしんほんぶ 2024年4月文部科学省に設置された、火山活動の調査、ハザード評価手法の研究、対策の強化などを目的とする組織体。30年目を迎える「地震調査研究推進本部」と並び、地震火山国・日本の防災を主導します リンク
214 富士山 ふじさん 3776mの高さを誇る富士山は、2000年代の多数の深部ボーリング調査の結果、4回の噴火が積もった「4階建」であることが正確に示されました。今日主に見える形は1万年前の新富士のほか、過去の山頂の名残が一部現れています リンク
215 DIG でぃぐ 災害ハザードの理解と対応力向上を目的に、災害時に何が起きるか?を地図空間と設定シナリオから想像、可視化、議論する実践訓練。子どもの学びから大人(市民、社会人)の指揮力向上まで広く発展が可能です リンク
216 HUG はぐ 市民自治による避難所運営の判断・課題解決力養成を目的とする実践訓練。スピード進行の中で、年齢、家族構成、健康などの多様な入居者と物流・生活動線を考慮して配置を最適化しつつ、問題に対応します リンク
217 TKB48 てぃーけーびーふぉーてぃーえいと 災害時の衛生、栄養、休息を確保するため「トイレ、キッチン、ベッド(=TKB)を発災後48時間以内に整備する」という避難所運営の最新の考え方。 被災者の二次被害防止に向け、避難所・避難生活学会が学術的に提唱します リンク
218 AR(拡張現実) えーあーるかくちょうげんじつ 現実の画像(世界座標系)に仮想データ(モデル座標系)を同期し視野を同化させ、仮想上の状況を生成する技術。水害など現実感の高い災害空間を体験・訓練できます。写真は本日の建築会館に浸水アプリを適用した例です リンク
219 メタバース めたばーすちょうえつせかい 仮想空間に多数のユーザーを人物として登場させ、行動や対話を可能とする技術。防災体験施設を仮想化、公開して合同学習する例、災害空間上で集団の避難訓練を行う例があります リンク
220 防災体験学習施設 ぼうさいたいけんがくしゅうしせつ 子供から大人まで「体験」を通じて災害を理解し、備えにつなげる学習施設。全国に設置され、模擬被災都市のツアーや、情報端末を連携した探検など、真剣ながらも学びを楽しめるように様々に工夫されています。 リンク
221 マルチモーダル・インターフェース まるちもーだる・いんたーふぇーす 視覚など単一の感覚に加え、運動感覚、触覚など多数の感覚を体感できる仮想技術。地震体験で部屋の揺れの映像に没入しながら同期した加速度を座席で発生させるなど、開発、実用が進んでいます リンク
222 ニューラルネットワーク にゅーらるねっとわーく 脳の神経回路を人工的にモデル化したもの。今日の人工知能(深層学習)の基礎的原理です。多数の突起から信号が細胞に入力され、次の細胞への伝わり方が結合強さと感度で決まることを数理的に表現します リンク
223 特徴量 とくちょうりょう ニューラルネットワークは「画像の画素」などの複雑・大量の情報から「形や構成」など判別や関わる数値(特徴量)を段階的に抜き出し「文字」などの認識判別につなげます。層が進むと、より大きな構造の特徴に注目します リンク
224 セマンティック・セグメンテーション せまんてぃっく・せぐめんてーしょん 人工知能が画像を識別し、識別部分(かたち)ごとに分類や意味を与えて分割、可視化すること。 自動運転車の視野で歩行者を認知したり、衛星画像から全半壊家屋を識別する場合に応用します。 リンク
225 物理法則組込みニューラルネットワーク ぶつりほうそくくみこみにゅーらるねっとわーく 偏微分方程式など最小限の物理法則をベースにニューラルネットワークを学習させるモデル。運動や変形、熱伝播など物理挙動や複雑な現象を柔軟に精度良く再現できる最新の領域です リンク
226 トランスフォーマー とらんすふぉーまー 今日の”GPT”の基礎となった言語生成の原理。単語のつながりを大量に深層学習し、文の直前までの語と並びを特徴量化するエンコードと続く語を予測・記述するデコードを繰返し、文を逐次生成します リンク
227 GAN(敵対的生成ネットワーク) ぎゃん 画像生成の手法。本物から創作した画像を生成するAIと、生成画像を偽物と見抜くAIの戦いを「本物に見える」精度まで繰返し学習させます。 写真や絵画、今日災害想定や都市計画にも応用されています リンク
228 セメント せめんと コンクリートなどの構造体やモルタルなどの接着・仕上げ材を固める粉末状の材料。石灰、粘土、けい石、酸化鉄等からなり、現場で水と混ぜ合わせると水と化合して膜と針状の結晶を生成し、数週間をかけ強度を発現します リンク
229 ローマンコンクリート ろーまんこんくりーと 現代のコンクリートの耐久性が最大100年程度であるのに対し古代ローマのコンクリートは2千年耐久しています。当時のコンクリートはひび割れを埋め常に自己補修する性質があることが近年明らかにされました リンク
230 中性化 ちゅうせいか コンクリートのアルカリ成分は鉄筋に被膜を形成し腐食を抑制しますが、大気の二酸化炭素がアルカリを中和すると鉄筋のさびと膨張、コンクリートのひび割れ、剥離が生じます。表面補修や薬剤注入、電気的還元で対応します リンク
231 炭素吸収コンクリート たんそきゅうしゅうこんくりーと 脱炭素社会に向け、コンクリートの持つ二酸化炭素の中和機構を適切に利用し、炭素を吸収固定化する等の効果で炭素排出量を実質ゼロまたは負とするコンクリート。今日土木構造物など適用が広がっています。 リンク
232 超高強度コンクリート ちょうこうきょうどこんくりーと 超高層建築などに用いる、極めて高い圧縮強度を持つコンクリート。強度(緻密性)のみを高めると施工時の流動性が減り火災の熱膨張にも弱くなるため、セメント調合や耐火対策の工夫を組合せて実現しています リンク
233 CFT しーえふてぃー 鋼管の柱にコンクリートを充填した細身で強度の高い構造。オフィス、商業ビル等で多用されます。充填のすき間や材料の分離を避けるため、流動性の高いコンクリートを下階から高圧力で送り込みます。 リンク
234 プレストレストコンクリート ぷれすとれすとこんくりーと 内部の高強度の鋼材に予め圧縮力を与える特殊加工を行ったコンクリート。事前の圧縮が施工後に自重で発生する引張を打消し、長い距離をかけ渡すことができます。大空間建築、橋梁に活用します リンク
235 プレキャスト・コンクリート ぷれきゃすと・こんくりーと 柱・梁など部材単位の成形を工場で事前に完了したコンクリート。現場でコンクリートを型枠に流して固める一般方法に比べて、施工が組立て中心になり、工期の短縮や効率化、品質向上を図れます リンク
236 炭素含有量 たんそがんゆうりょう 「鉄」にも、柔らかく溶接しやすい鉄、固く摩耗に強い鉄など種類があり、違いは炭素の量です。建築用の鉄骨は、鋼鉄のうち溶接が容易で地震時のしなやかさの高い「軟鋼」で、0.1-0.3%のごく微量の炭素を含みます リンク
237 鉄鉱石 てっこうせき 鉄、ケイ素からなる鉄鋼の原料。約20億年前に原生生命(シアノバクテリア)の作る酸素と海洋鉄分が反応し大量沈降し、縞(しま)状鉄鉱層と呼ぶ地質を形成。表出したオーストラリア、ブラジル等が今日の産出地となりました リンク
238 建築構造用鋼材 けんちくこうぞうようこうざい 近年、建築構造に特化して標準的に使用される、強度や性能を最適化した鋼材。地震の変形に耐える力、溶接のしやすさ、力の作用の方向等で鋼材の種類(ABC)を区分し、部材毎に適切に選択し細かに適用します リンク
239 耐火鋼 たいかこう 鋼材は350℃程度の温度上昇で強度が2/3に低下し自立にも影響するため、耐火被覆が必須です。モリブデンなどを添加した耐火鋼は600℃まで同程度の強度を維持でき、被覆を省略するなどデザイン、コスト面にも有用です リンク
240 製鋼 せいこう 鉄鋼は用途に必要な形状や性能のための複雑な製造過程を踏みます。原材料を溶かした銑鉄(せんてつ)を転炉、電気炉で脱炭素・還元し、小さな塊を鋳造(ちゅうぞう)し、圧延加工等を経て鉄骨やレール、種々の製品となります リンク
241 靱性 じんせい 材料の工学的な粘り強さ。鋼材など金属は力を加えると比例的に変形し、その後力をほぼ一定を保ちながら変形、破断に至ります。変形と力が囲む面積の広さが吸収エネルギー(地震に持ちこたえる粘り強さ)を示します リンク
242 たたら製鉄 たたらせいてつ 現代の鉄鉱石ではなく良質の砂鉄を主な原料とし、刀などにも用いる純度の高い鉄を製造できる伝統技術。たたらは釜戸に空気を送る踏み台を表し、古代から近世まで日本の製鉄の主要原理でした リンク
243 ブロック塀 ぶろっくべい ブロック塀は、建築物と同様1981年に基準が整備されましたが、旧式の塀の地震被害が多発します。高さや厚み、控え壁(直行の突出)の有無が目印となります。耐力上重要な鉄筋も、専門家の非破壊検査等で確認が可能です リンク
244 非破壊検査 ひはかいけんさてっきん 医療のレントゲンと同様に、構造物を切り開くことなく透過して内部を検査する技術。既存の建物やブロック塀等に対して、耐震上重要となる鉄筋の有無や配置(本数)を電磁波で検出し、可視化、データ化できます リンク
246 円弧すべり えんこすべり 地震や豪雨等の地滑りが円弧状に起きる現象とその理論。段差のある地盤の鉛直・水平の力の分布の中で、せん断応力(引きちぎる力)が最大になるこの円弧の線上で力が強度を超えたとき、線に沿いすべりが発生します。 リンク
247 盛土 もりど 土地の谷や傾斜を人工的に埋めたり盛り上げること。対義語は切土。適切な規模・工法から逸脱すると災害リスクとなるため2023年に対象を定めた法規制(盛土規制法)が施行され、今日自治体にて規制整備が進んでいます リンク
248 安息角 あんそくかく 砂、粘土、岩石などが自然状態で自立的に形を保てる限界の角度。土質や水分状態等で変化しますが、一般に30-45度程度です。建築では盛土規制や崖地へ建築制限に関し「30度」が基準として多く応用されます リンク
249 震度法 しんどほう 建物の自重に加速度相当の係数を乗じ地震力を設定する耐震設計。関東地震の翌年1924年初めて0.1が導入され、福井地震の2年後1950年の建築基準法の整備で0.2に引き上げられ、今日も用いる100年を超える歴史を有します。 リンク
250 偏心率 へんしんりつ 構造のバランスの良さの指標。壁などの配置が偏り、地震力が作用する「重心」と固さの中心「剛心」がずれていると地震でねじれ変形が生じ、被害につながります。ずれ(偏心率)を抑える基準が新耐震基準から導入されました リンク
251 剛性率 ごうせいりつ 階ごとの構造バランスを保つ指標。地震時の建物の変形と損傷は壁が少ない柔らかい階に集中し、過去に1階の柱だけの階(ピロティ)等に多くの倒壊が生じました。新耐震基準は、剛性率(階の固さの全体比)を一定以上とします リンク
252 崩壊メカニズム ほうかいめかにずむ 新耐震基準の大きな進歩は「安全な壊れ方」のデザイン(保有耐力)です。大地震時に柱が先行して損傷すると直ちに倒壊に至る層崩壊が生じます。柱梁の強弱を考え損傷を全体に分散させて粘り、保有耐力を高めます リンク
253 四分割法 よんぶんかつほう 偏心率計算と同様の目的で、2000年耐震基準より木造住宅設計に導入された構造バランスの検討。建物を東西、南北に4分割し、偏心への影響が大きい両端部の壁の量が大きく異ならないことを確認します リンク
254 二次設計 にじせっけい 新耐震基準で加わった2段階の耐震設計。震度5強程度の中規模地震は弾性域の無被害に収め、震度6強を超える大地震は偏心率、剛性率、保有水平耐力等を計算し、損傷(塑性域)しても粘り強く変形して耐え倒壊を防止します リンク
255 構造計算ルート こうぞうけいさんるーと 建物の規模、複雑度で必要な構造計算を分岐する制度。中小建物の壁の量、強度を中心とした検討から大規模建物の保有耐力計算まで主に3つがあり、超高層建物は地震の揺れの高度な解析と審査(大臣認定)を課します リンク
256 沖積層 ちゅうせきそう 約1〜2万年前以降の比較的新しい時代、堆積等で形成された柔らかい地層。氷河期を終えた温暖化で海面が拡大した「縄文海進」頃から造られ、古い層(洪積層)に比べ、沈下や地震時の液状化に注意を要します リンク
257 洪積層 こうせきそう 沖積層(2万年前〜)より前の時代に形成された、岩盤など主とする硬い地層。地震の増幅が小さく、液状化の危険も小さいことから良好な支持層になります。設計上、増幅率が小さい「第1種地盤」と分類します リンク
258 せん断波速度 せんだんはそくど 地震の主要な揺れが地盤を進む速度。エネルギー保存則により速度が小さくなるほど揺れが増幅します。軟弱地盤で100m/s、硬質地盤で400m/s程度で下図の赤色ほど地表地盤の速度が小さい(増幅は大きい)場所を表します リンク
259 地質断面図 ちしつだんめんず 地盤を地点毎に掘り下げるボーリング調査を多数連ねて地中の断面(厚さや傾斜)を推測した資料。地質の不連続から断層の存在等を推定するとともに、設計上は基礎の正確な計画や地震動増幅の評価に重要です(大阪の例) リンク
260 地盤応答解析 じばんおうとうかいせき 地盤の硬さなどを反映した地層のモデルに地中深く(基盤面)から揺れを入力して、地盤全体や地表の揺れを解析すること。地盤の影響で地震動の周期と振幅は大きく変化するため、耐震設計や観測データの分析に有用です リンク
261 地震動特性 じしんどうとくせい 観測される地震動の特徴が震源特性(断層破壊のメカニズム)、伝播経路特性(地殻での伝わり方や減衰)、サイト増幅特性(表層地盤の増幅)の3要素で決まるとする概念。各研究領域の知見を組合わせ予測、分析を行います リンク
262 N-Net えぬねっと 先月2025年6月に完成した、南海トラフ地震津波対策を目的とした新観測網。沿岸、沖合を合わせ総延長1600kmの海底ケーブルと水圧等の観測機器によって津波をとらえて早期警報につなげます。 リンク
263 工学的基盤 こうがくてききばん 設計の基準として十分な硬さ(400m/秒-)を持つ地盤面。深い地震基盤(3000m/s)とは別に、工学的基盤で基準の地震動(告示波)を定義し、地盤調査により地盤をモデル化し場所の増幅特性に即した設計地震動を作成します リンク
264 確率論的地震動予測地図 かくりつろんてきじしんどうよそくちず 「明日の東京」のような短期予報が困難な地震では、何年以内に・どの規模以上で・何%の確率ーをセットとした長期評価を場所毎に行います。「30年以内に震度6弱以上の揺れが生じる確率」の例を示します リンク
265 ハザードカーブ はざーどかーぶ ある場所で、想定する揺れの強さとそれが起きる(超過する)確率の関係を結んだグラフ。地震ケース毎に示し、揺れが強いほど確率は小さい「右下がり」となります。港区芝5(建築会館)のハザードカーブを例示します リンク
266 リスクカーブ りすくかーぶ 損害保険等に用いる、地震で予測される損失額と発生確率の関係を表すグラフ。損失額と確率の掛け算を足し合わせ「年間に発生する損失額の期待値(平均)」を求めると理論的に支払うべき「年間保険料」が算出できます リンク
267 地震活動モデル じしんかつどうもでる 「確率論的地震動予測地図」の作成に用いる、多数の活断層や海溝型等の地震の規模・頻度の情報を集約したモデル。震源から発生パターン(規模や破壊範囲)などの組合せを考慮し、数万規模のケースを評価します リンク
268 予想最大損失 よそうさいだいそんしつ 建物の最大の地震被害(資産損失)を確率的に見積る方法。最大の地震ケースを正確に予測することは困難ですが、多数ケースを考慮した損失の確率から「最悪から上位10%」等の点を評価して合理的な指標とします。 リンク
269 伝達関数 でんたつかんすう 地盤の揺れの入力(地中)と出力(地表)の関係を周期別に表したもの。地盤の増幅率を表し、伝達関数により地震時の地盤の解析を「掛け算」のように効率的に計算できます。多数の地震解析を行う際にも有用な手法です リンク
270 ジオパーク じおぱーく 自然環境教育の国際理念に沿い、地質・地形を生きた教育・観光資産として、ユネスコまたはNPOが整備、認定した場所。国内47箇所の山岳や断層、噴火口などを案内、解説しており、地球のダイナミクスを実感できます。 リンク
271 紙製振動実験キット かみせいしんどうじっけんきっと 紙模型を組み立て耐震性を学べるキット。模型用紙はプリントでき、地震時の家屋の振動の様子と筋交いによる補強効果(剛性、強度増加)を理解できます。動画は中の人の作成。夏の自由研究にお勧めです リンク
272 スコリア丘 すこりあきゅう 噴上がるマグマが冷却され円錐状に凝固した地形。最大規模の伊豆・大室山は約4000年前の噴火でスコリアを形成し、溶岩が流れ出て周辺の海岸線を造りました。山頂の「おはち巡り」ができるジオサイトです。 リンク
273 カルデラ かるでら スペイン語の「大釜」を表し、火山が活動を終えて地下のマグマだまりが収縮し地上が大規模に陥没したくぼ地。北海道の屈斜路湖(くっしゃろこ)は、カルデラの外周が57kmで日本一、かつ世界屈指の規模を誇ります。 リンク
274 大谷石 おおやいし 宇都宮市大谷で採掘されるグレーの軽石凝灰岩。ミソとよぶ斑点が温かな質感を持ちます。近代建築の巨匠ライトが好んで用い、帝国ホテル(1921、現明治村)では、デザインと地球の産物の魅力を鑑賞できます リンク
275 キーストーン きーすとーん 石同士の圧縮力で構造を造るアーチにおいて、最後の仕上げに頂点に打ち込む石。転じて「無くては成立しない要素」を表す語。西洋建築に多用され、国内では群馬県の世界遺産・富岡製糸場に見出されます リンク
276 フェニックス褶曲 ふぇにっくすしゅうきょく 紀伊半島南端に見られる、地層を二つ折りするような壮大な地形。海洋プレートの沈込み運動が砂岩泥岩互層を押し曲げたもので、世界的にも希少です。地名の「天鳥」(あまどり)から付いた愛称です リンク
277 石見銀山 いわみぎんざん 近世、日本は世界的銀産出国でした。鉱物を含むマグマから温泉水を通じて地表まで豊かな熱水鉱床が形成され、採掘されました。島根県の世界遺産・石見銀山はその歴史を現代に伝えます リンク
278 黒部ダム くろべだむ 7年をかけ富山県に1963年に竣工した水量2億トンを誇るダム。水力発電で経済成長を支え、堤高186mは今日も日本一です。巨大な水圧と力の流れを考慮し平面・断面方向にもカーブしたアーチ型ダムの構造が優美です リンク
279 野島断層 のじまだんそう 30年前の1995年阪神淡路大震災で地表に現れた大規模な断層ずれの一部を淡路市の施設が震災遺構として保存しています。横ずれ・逆断層(上の盤が斜めに乗り上がる)の実体を学び、体験館で防災の知識を深めます リンク
280 地体構造区分 ちたいこうぞうくぶん 日本列島は、大陸に地続きの時代より概ね北から順に古い地殻、堆積物が並びます。1000kmに及ぶ断層「中央構造線」は1億年前に強く活動し変性帯(ピンク)を生み、今日も山すじや半島地形からその痕跡を確認できます リンク
281 千島海溝 ちしまかいこう 太平洋・北米プレート間2千kmの長大な海溝。断層が交互に活動し1952年は3月十勝沖地震(M8.2)、11月カムチャッカ地震(M9.0)が発生。慶長年間以来の日本海溝連動M9の再来も想定されます リンク
282 フォッサ・マグナ ふぉっさ・まぐな 大いなる溝(みぞ)の意。旧日本列島は1600万年前プレートの異なる動きで中央を折られて海峡ができ、その後6000m級の深い地層で埋まりました。地質学者ナウマンが1885年初めて学説を発表してから今年で140年です リンク
283 糸魚川-静岡構造線 いといがわ-しずおかこうぞうせん フォッサ・マグナの西の端を走り列島を横断する大断層線。新潟県糸魚川市では、西側の古く硬い岩石(3億年前)と東側の溝を新しく埋められた地層(1600万年前以降)の境目が露頭として現れています。 リンク
284 火山フロント かざんふろんと プレートの沈込み帯では火山が多く見られ、深さ100-200kmほどに融解したマグマが発生しています。プレート境界の大部分は固体ですが、海洋プレートが持ち込んだ水の作用で岩石の融点が下がると考えられています。 リンク
285 南海トラフ地震その日が来たら なんかいとらふじしんそのひがきたら 気象庁・内閣府が刊行する南海トラフ地震・臨時情報の解説マンガ。地震から1週間の社会と4人家族の行動を描きます。断層破壊パターン別で東西の2話があり、巻末ページで知識と備えを学びます リンク
286 確率ゲイン かくりつげいん ある地震後に後続地震の発生確率が通常より増大する倍率。南海トラフ地震(M8)発生時、同規模の後続地震のゲインを1週間以内99倍以上とする東北大らの研究(Nature)が知られています。リスクへの社会的警戒は重要です リンク
287 半割れ はんわれ 過去の南海トラフ地震では、東西の断層の分かれ目(セグメント)が数十時間から2,3年程度の時間差で破壊するパターンが見られます。「半割れ」状態では、直近の被災対応とともに、臨時情報のもと残りの破壊を警戒します リンク
288 巨大地震警戒 きょだいじしんけいかい 巨大地震の発生確率の高まりを示し「平時より100倍程度高い」状態とされます。津波避難が困難な地域等の事前避難を行い1週間程度継続します。「注意」ではすぐに避難できる準備を行います リンク
289 事前避難対象地域 じぜんひなんたいしょうちいき 地震時に「30分以内に30cm以上の津波」が予測される避難リスクが高い指定地域。巨大地震警戒時に自治体の呼びかけにより避難施設へ事前避難を行います。他の地域でも避難に不安のある方は避難を検討します。 リンク
290 地震予知 じしんよち 地震が起きる場所・時間・規模を予め特定すること。現代科学では不可能とする立場が政策、研究の標準見解です。代わりに長期の発生確率の「予測」、確率増大を知らせる「警戒」、揺れの到達直前の「速報」を活用します リンク
291 錦帯橋 きんたいきょう 江戸時代創建の岩国市の木造橋。交差するトラス型の構造を持ち、重さだけでなく横の力にも水平トラスで強く対抗する3次元構造は主に洪水対策と考えられ、緻密さが美も増します リンク
292 熊本城 くまもとじょう 2016年熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城は天守閣の復興改修を完了し、元の姿を保ち耐震性能も向上させるため補強に加え省スペースの制振装置(クロスダンパー等)を多数導入しました。熊本の地震水害の安全を祈念します リンク
293 通天閣 つうてんかく 大阪を象徴する100mのタワー・通天閣は、耐震性能向上のため展望台下の「足」の途中を切り離し免震層(積層ゴム)を加える中間層免震工事を実施。展望塔の免震改修として世界初の事例となりました リンク
294 東京駅 とうきょうえき 東京駅・赤レンガ駅舎は1914年に開業し、ルネサンス様式の建物は重要文化財です。戦災で喪失した3階の再建、全体の免震化、地下階増設等の改修が2012年に完成し、今日も首都の玄関口を支えます リンク
295 愛知県庁本庁舎 あいちけんちょうほんちょうしゃ 昭和13年竣工で近代建築に天守を頂く帝冠(ていかん)様式の重要文化財。自治体の地震時の業務継続のため免震改修を行い、大地震の一般基準(告示波)の1.5倍の地震動にも機能維持できます リンク
296 サンシャイン60 さんしゃいん60 水族館等を有する1978年竣工60階建の東京の超高層ビル。南海トラフ地震等の長周期地震動対策として600基を超える制振装置を設置しオイルや鋼材の機構で揺れのエネルギーを吸収します リンク
297 今村明恒 いまむらあきつね 1870年薩摩生、東京帝国大学(東大)の地震学者。1905年、関東に周期的に起きる大地震を学説で警告。当時「浮説」と批判されるも、1923年9月関東地震の発生で注目される。近代地震計の開発にも貢献。1948年没 リンク
298 大森房吉 おおもりふさきち 1868年福井生、東京帝国大学(東大)の地震学者。P波-S波の到達時間差から震源距離を求める大森公式(1899年)など重要理論を明治期に確立。今村明恒の関東地震説を否定するも1923年に地震が発生し2ヶ月後に逝去 リンク
299 エドムント・ナウマン えどむんと・なうまん 「お雇い外国人」として1875 年来日したドイツ人地質学者。滞在中の10年間の調査により、フォッサ・マグナや中央構造線などの日本列島の地質学、氷河期の動物学(ナウマン・ゾウ)の重要な発見をしました リンク
300 天災は忘れた頃にやってくる てんさいはわすれたころにやってくる 教訓を活かせず災害を繰返す様を戒める格言。物理学者 寺田寅彦(とらひこ)の原著の言葉 【人間が前車の顚覆(てんぷく)を忘れた頃に後車を引き出す】 (天災と国防・1934)を今日易しく伝えるものです リンク
301 後藤新平 ごとうしんぺい 1857年陸奥(岩手)生の医師・政治家。満鉄総裁、内務大臣などを経て、1923年関東大震災後に帝都復興院総裁となり復興計画を推進。延焼対策の環状道路、避難路となる主要橋梁など今日の東京の都市の骨格を確立。1929年没 リンク
302 佐野利器 さのとしかた 1880年山形生の東京帝国大学の構造学者。1914年学位論文で「震度法」を世界で初めて提案し、法制化され今日の設計の基礎を築く。関東大震災後、鉄筋コンクリート造校舎など不燃、耐震化普及に尽力。1956年没 リンク
303 真島健三郎 まじまけんざぶろう 1873年香川生の構造家・技師。構造をめぐる「柔剛論争」で力を受流す「柔」を主張し佐野利器(剛)らと争う。1930年世界で初めて動的解析理論により舞鶴海軍学校を設計。現代の超高層設計に至る理論を確立。1941年没 リンク
304 広井勇 ひろいいさみ 1862年高知生の土木工学技師、東京帝国大学教授。南海地震から防災を志し波力公式、構造など港湾工学を確立。国内初の鉄筋コンクリート防波堤を小樽港(1908年)に実現し117年耐久現存する高度技術です。1928年没 リンク
305 古市公威 ふるいちこうい 1854年江戸生の土木工学技師、東京帝国大学教授。鉄道、河川、港湾の広域の技術の法整備、近代の国づくりに尽力。佐野利器らを輩出し建築耐震の架け橋となる。内務省初代土木技監、土木学会初代会長。1934年没 リンク
306 今村式2倍強震計 いまむらしきにばいきょうしんけい 今村明恒が1911年に開発した地震計。水平・上下動を針の腕で2倍に拡大し、ぜんまいで記録を進めます。関東地震の記録に成功し、気象庁がJMA-1型として普及させました。国立科学博物館蔵(中の人撮影) #かはく リンク
307 相模トラフ さがみとらふ 北米プレートにフィリピン海プレートが沈込む、相模湾沖の領域。境界部の元禄関東地震(1701年12月31日)、大正関東地震(1923年9月1日)等のM8巨大地震とともに、余震・沈込み等に伴う多数のM7地震を発生させています。 リンク
308 凌雲閣 りょううんかく 東京浅草に1890年竣工した50mのれんが造の展望塔。明治期に圧倒的高さを誇り通称「浅草十二階」。日本初の電動昇降機「エレベートル」を装え、1923年関東地震で倒壊するまで街の象徴として愛されました リンク
309 日比谷入江 ひびやいりえ 皇居(旧江戸城)東側に存在した、現東京駅付近から湾へ南北に連なる入江。江戸期に埋立てた結果、関東地震の地盤増幅により震度、倒壊率が局所的に極めて高かったことが研究で示されています リンク
310 神田佐久間町 かんださくまちょう 関東地震では旧東京市が広域に延焼被害を受けました。しかし神田佐久間町(図矢印、現・秋葉原駅南)では、市民のバケツリレー等の消火活動の徹底で地区の延焼を防ぎ切りました。卓越した市民防災として知られます。 リンク
311 本所石原方面大旋風之真景 ほんじょいしわらほうめんだいせんぷうのしんけい 関東地震では本所被覆廠(ひふくしょう、現横網公園)に避難した約4万人の方が火災旋風により亡くなりました。当画は惨禍を報じる版画・大震災画報で震災翌月10月20日作。江戸東京博物館、大英博物館蔵 リンク
312 大東京都市計画道路網図 だいとうきょうとしけいかくどうろもうず 関東地震の帝都復興の詳細を1926年復興局が計画した図。防災上の道路拡幅と都市交通の利便性向上を目的とした環状-放射状の構造の道路網を旧市街地に赤色で重ね描き、今日の東京の骨格を決定付けました リンク
313 防災の日 ぼうさいのひ 防災意識向上と備えの強化を目的に伊勢湾台風の翌年1960年に創設、後に防災週間に拡大されました。「9月1日」は関東地震の発生日であり、稲作のへ台風の備えを促す「二百十日」(にひゃくとおか)としても伝統的暦です リンク
314 永代橋 えいたいばし 帝都復興を象徴する隅田川の橋。旧永代橋は日本初の鉄橋でしたが関東地震で被災。大幅な拡幅と箱型鋼の強靭な骨組(ソリッドリブアーチ)で初の100mスパンを実現し1926年再建し来年百周年。道路橋初の重文指定、土木遺産。 リンク
315 災害伝言 さいがいでんごん 関東地震後、広大な境内を持つ芝・増上寺に避難者が集まり炊出しで共同生活を行うとともに、安否情報を書いた紙片が集まり情報共有の場となりました。今日では災害伝言ダイヤル【171】で家族等の安否を共有できます。 リンク
316 山古志の棚田 やまこしのたなだ 傾斜地に段状の水田を作り稲作を行う伝統的方法。山古志では錦鯉の養殖にも利用。傾斜の緩和や貯水機能により地滑りや洪水のリスクを減じます。 #ぼうさいこくたい2025 の開催地・新潟の原風景 リンク
317 越後平野 えちごへいや 信濃川の水と堆積土により6千年前頃から形成された広大な平野、屈指の穀倉地帯。「潟」の水はけ・洪水対策のため、今日の平野の川の多くは人々が歴史的に築きました。豊富な雪解け水と寒暖差が美味しいお米を育てます リンク
318 希望の鐘 きぼうのかね 山古志地域が2004年10月の新潟県中越地震で被災後、安心した年越しと生活となるよう京都西本願寺が被災地に設営寄贈した「鐘」。長く地域の心の支えとなりました。記念館おらたる(私たちの場所の意)蔵、中の人撮影 リンク
319 佐渡金山 さどきんざん 新潟・佐渡島は列島が大陸から分離した際に生まれ、火山活動が生む熱水性の金鉱床を豊富に有します。江戸期に採掘が進み、山を割る大規模な割戸(わりと)も知られます。希少な文化が2024年7月世界遺産に登録されました リンク
320 米百俵 こめひゃっぴょう 新潟長岡の藩士。小林虎三郎の故事。食に困窮する長岡に贈られた米を教育のため反対をおして売り払い「百俵の米も食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の百万俵となる」と長期的施策の重要性を説きました。 リンク
321 中山間地域 ちゅうさんかんちいき 平地と山間の中間、国土の7割、耕作地の4割を占める起伏地域。工夫された農業、土地利用と美しい景観を持ちます。地震時もライフラインを絶やさない道路の強靭化・迅速復旧等が国土持続の要です リンク
322 信濃川 しなのがわ 国内最大長さ367kmと流域面積12,000km2を誇る川。長野区間の呼称は千曲川(ちくまがわ)。群馬県に始まり主に地質境界(フォッサマグナ)に沿って流れます。水運が古代北陸文化を内陸に伝播させ、流域の稲作を発達させました リンク
323 稲作 いなさく 稲作は縄文末期の3000年前頃に伝わり、年間通じ長期的に「備蓄」可能な食として不安定な採集に代わり「日常食」となりました。原産のジャポニカ種は地域の気候と多種の改良を経て多様で豊かな食を支えます NO RICE NO LIFE リンク
324 鳥取砂丘 とっとりさきゅう 日本最大の砂丘。中国山地の花崗岩等が降雨や温度により砂状に風化し、河川から日本海に流れ、強い季節風と海面低下があいまり再び陸上に堆積したもの。近年の気候・植生変化から砂丘を守る市民活動も盛んです。 リンク
325 風紋 ふうもん 砂丘の砂粒は盛り上がった場所ほど風を受け、一定の距離を跳躍し次の場所に積もり、この繰返しが規則的「紋」を形成します。毎秒5m程度の風が跳躍を起こし、かつ紋を崩さない必要条件とされます リンク
326 ジェロントロジー じぇろんとろじーろうねんがく 高齢者が長寿で豊かに暮らす社会課題の解決を医学、介護、都市、機械など学際総合で研究する領域。災害連携視点の「防災ジェロントロジー」が安全安心の要として近年注目されます。明日は #敬老の日 リンク
327 敬老の日 けいろうのひ 兵庫県旧野間谷(のまだに)村長が「お年寄りを大切にし、その知恵で村づくりを」と1947年9月15日始めた敬老会が広がり祝日となりました。防災の主導、災害伝承などご高齢の方の地域貢献に敬意を表します #敬老の日 リンク
328 スフィア基準 すふぃあきじゅん スフィアは全体の意。災害・紛争避難者の人道支援の国際的な最低基準を定めるもの。「避難所一人あたり面積3.5m2」「女性トイレ設置数」など日本国も基準への適応が必要であり、近年政策・社会推進を図っています リンク
329 避難所モデルプラン ひなんじょもでるぷらん 避難所の全体計画や細部のあり姿を、生活、搬入、衛生などの目的・機能に照らしてデザインし、図解、説明したもの。専門家団体(建築士会)が建築計画学的な視点からプランとチェックリストを示しています。 リンク
330 個別避難計画 こべつひなんけいかく 自力の避難が難しい避難行動要支援者の方ごとに避難の場所や方法、支援者などの5W1Hを事前計画、連携する仕組。令和7年現在作成率は全国平均で14%ですが、香川県が63%と最も進んでいます リンク
331 DWAT でぃーわっと 災害派遣福祉チーム。災害時に連携が必要な福祉の専門職(社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、保育士等)のチームを緊急派遣するしくみ。医療領域のDMATと同様に機動性を高め、生活支援の課題解決を迅速に図ります。 リンク
332 国崎町 くにざきちょう 最古の「高台移転」として知られる三重県の町。1498年明応地震の津波により甚大な被害を受け、旧・大津から高台の国崎へ集落を移しました。高台の行き来で漁業等を維持し高台の町を527年継続しています。 リンク
333 鎌倉大仏 かまくらだいぶつ 鎌倉市高徳院の阿弥陀如来坐像。1369年の台風、1498年の明応地震の津波による大仏殿の被害を経て露天となったと伝えられます。大仏と台座間は創建時より「滑る」造りであり関東地震の被害を減じたと考えられています リンク
334 スロッシング すろっしんぐ 容器内の液体が地震や波浪の振動で大きく揺さぶられ、飛び跳ねるような挙動を起こすこと。十勝沖地震(2003年9月)では、長周期地震動によって震源から250km離れた苫小牧の石油タンクの大火災を引き起こしました。 リンク
335 長周期地震動階級 ちょうしゅうきじしんどうかいきゅう 超高層ビル等に影響する1.5秒から8秒程度の長い周期に特化した揺れの強さの指標。2022年導入され「震度」とは異なる1から4の階級で表します。家具等が大きく動く3以上が予測される場合緊急地震速報を発します リンク
336 長周期地震動階級分布 ちょうしゅうきじしんどうかいきゅうぶんぷ 「長周期地震動階級」の値を地図上に表したもの。能登半島地震では、震度(左)は震源から近いほど大きいのに対して長周期地震動階級分布(右)は長周期が増幅する関東平野等で比較的大きくなりました。 リンク
337 浮屋根 うきやね 大型石油タンク等では液体の上に浮かべた上下型の屋根を用います。液体の増減時に空気や揮発蒸気が入らない安全上の長所がありますが、風雨や地震によるずれや沈降を防ぐため、補修や耐震改修を講じています リンク
338 千島海溝沿い超巨大地震 ちしまかいこうぞいちょうきょだいじしん 十勝沖、根室沖等の地震領域の連動型地震。北海道東部における内陸最大4kmに至る津波堆積物と規模の推定から、これらが広く連動したMw8.8程度の超巨大地震が17世紀に発生したと考えられています。 リンク
339 すべり量依存BPTモデル すべりりょういぞんびーぴーてぃーもでる 政府は昨日南海トラフ地震確率評価を「30年以内60~90%以上」に更新。直近の地震のすべりが大きいほど発生間隔が長い経験則に予測ばらつきを考慮した確率論(No.204参照)を組合せた手法を採用しました リンク
340 信用区間 しんようくかん 予測値のぶれ幅を評価する考え方。南海トラフ地震の発生確率60〜90%以上は「真の発生確率はわからないが、この幅(灰色)に真の値が7割の確率で入る」意。幅の上側は今日すでにとても高い値にあり、今後も上昇を続けます リンク
341 室津港 むろつこう 江戸時代に開かれた現高知県室戸市の港。南海トラフ地震の確率推定に重要な宝永・安政期の地震の隆起量、海岸変化を「何尺」と記す史料があります。昭和地震に比べ隆起量の確率分布を幅広に取り史料上の推定を考慮します リンク
342 水準点変動量 すいじゅんてんへんどうりょう 南海トラフ地震時は、海洋プレートに引き下げられた陸側が跳ね上がる挙動がみられます。室戸岬は1946年昭和南海地震時に急激に隆起し年々沈降しており、次の地震へ向けたひずみの進行としてモニタリングされます リンク
343 蟹が池 かにがいけ 高知県土佐市蟹が池の掘削調査では、粘土の層の間に海から運ばれた砂の層が定間隔(灰色)でみられ、各時代の南海トラフ地震の津波堆積物(No.146)と考えられます。2000年前の厚い層から未曾有の規模の津波が推定されます リンク
344 万変記 ばんぺんき 1707年宝永地震などの大災害を記録した書。「東南の方おびただしく鳴りて大地ふるひ..二三尺に割れ」地盤液状化と隆起量、3度繰り返す津波や1万棟を越える津波被害等を克明に伝えます デジタル原文: リンク
345 ランク らんく 「30年以内に何%」という地震発生確率の大小をとらえやすくする区分。26%以上のランクⅢ(高い、ピンク)を最高としています。南海トラフ地震の発生確率は評価方法によらずⅢの高い水準であることが強調されています。 リンク
346 地震調査研究推進本部 じしんちょうさけんきゅうすいしんほんぶ 阪神淡路大震災を受け1995年6月に設立された研究組織。地震防災対策特別措置法(1978年)のもと従前の地震予知から長期評価、被害想定、防災へ重点を設定し、防災政策と地震調査を30年連携推進しています。 リンク
347 海域活断層 かいいきかつだんそう 陸域のプレート、海域の海溝ではない、海域に多数存在すると考えられる活断層(赤)。規模により地震と直後の津波の発生が予想され、日本海南西部の「海域活断層」の発生確率の長期評価が2022年に初めて発表されました リンク
348 鹿野-吉岡断層 しかの-よしおかだんそう 鳥取市内を横断する長さ26kmの断層。直下型で甚大な被害を生じた「1943年鳥取地震」の震源断層となり、地表の最大1.5mに及ぶずれから当時発見されました。4000〜9000年程度の周期で活動すると考えられています。 リンク
349 投入堂 なげいれどう 鳥取県の山中に建つ仏堂、国宝建築。厳しい修行の一環で断崖にそびえる「懸造(かけづくり)」は平安時代の姿を保ち、大変希少です。細身の構造ですが、安山岩の岸壁に密着し耐震耐久性が高いと考えられます リンク
350 浦富海岸 うらどめかいがん 鳥取県の景勝地。花こう岩に対して波浪による「奥」への切り込みと断層破砕帯の「横」への切り取り線で縦横に海食が進み、島や洞窟などのある雄大で変化に富んだ希少な地形が生まれたと考えられています。 リンク
351 柱状節理 ちゅうじょうせつり 火山の溶岩が冷却収縮して、「六角形」などの幾何学的な断面の節が冷却の進んだ方向へ柱状に形成されたもの。玄武岩の命名元となった山陰ジオパーク「玄武洞」では、200万年前の活発な火山活動の跡が見て取れます。 リンク
352 代々木競技場 よよぎきょうぎじょう 昭和の東京オリンピック(1964年10月10日-)を象徴する、丹下健三氏の建築。2本の柱とケーブルで屋根を支える120mの吊り構造と、揺れを抑える油圧ダンパー(制振装置)を日本初で導入し、未曾有の大空間を実現しました リンク
353 坪井善勝 つぼいよしかつ 1907年東京都生まれの構造家、東京大学名誉教授。シェル構造の研究者。丹下健三ら建築家と協業し、代々木競技場(No.352)、東京カテドラル聖マリア大聖堂など、日本を代表とする大空間建築の構造デザインを行い技術を発展させました。1990年没。 リンク
354 カテナリー曲線 かてなりーきょくせん ひもや鎖を垂らして自然に作られる数学的な曲線。引張力だけで形を支える合理的な形で、橋や建築の「吊り構造」のデザインに応用されます。天地を反転することで、力学的に安定した屋根やアーチの形状になります リンク
355 ストランド すとらんど 長大構造物のケーブルに用いる金属線(素線)を束ねた構造。断面が筋肉繊維に似た多重構造となり、柔軟性、耐久性を高めます。瀬戸大橋のケーブルは素線3万本が束となり全体の素線の総延長は30万km(地球7周)に及びます リンク
356 上盤効果 うわばんこうか 逆断層の斜め上側(上盤)の地震の揺れが同じ距離の下盤に比べて強くなる経験的な事実。新潟県中越地震(2004年10月)が代表例です。断層破壊の進み方、断層面に対する角度、屈折反射等の影響と考えられています リンク
357 応力場データベース おうりょくばでーたべーす 断層のずれは正断層、逆断層、横ずれに大別され、それぞれ地殻に働く引張、圧縮、食い違いの力の結果です。多数のビーチボールの向きと色はずれの種類を表し、マップから地殻に働く力の分布を理解できます。 リンク
358 メカニズム解 めかにずむかい 断層の3次元の動きを描くため「引っこみを白、出っぱりを黒」で表す球を真上から見下ろした図法。横から押され上下に出っぱる逆断層は白黒白の猫の目、正断層は反転色、横ずれは回転してXになります リンク
359 アウターライズ あうたーらいず 海洋プレートに押される日本列島では地殻が圧縮され逆断層の地震が多数を占めますが、沈込みの始まる沖合(アウター)では曲げ引張り力が働き、正断層の地震が海水を鉛直に動かし大津波を引き起こす場合があります リンク
360 CMT解 しーえむてぃーかい ビーチボール(No.358)の元となる、断層のすべりの向きと広がりを考慮し重心(セントロイド)で表現した精度の高い計算解。断層の動きと揺れの関係(モーメント・テンソル)を使い、観測記録を説明できる答えを逆算します。 リンク
361 ユレダス ゆれだす 新幹線は地震を検知し今日最短1秒以内で制御がかかるシステムで安全が守られています。直下型の中越地震では初の脱輪が生じましたが、主要動3.5秒前に減速が開始され転倒と人的被害を免れたと分析されています リンク
362 沿線地震計 えんせんじしんけい 新幹線沿線上に高密度に設置された鉄道独自の地震計(東海道新幹線では50箇所)。遠方地震計(通称テラス)、海底観測網とも連携し地震直前の緊急停止に活用するほか、復旧時にも軌道上の被害可能性を推定します。 リンク
363 新潟-神戸ひずみ集中帯 にいがた-こうべひずみしゅうちゅうたい 太平洋側のプレートの沈込みで列島が受けるひずみが新潟から神戸にかけ帯状に集中し、中越地震等の多くの内陸地震が発生します。深い地殻構造が柔らかく上部の地殻に応力が集中すると考えられています リンク
364 サイクリックモビリティ さいくりっくもびりてぃ 強い震動を受けた土の粒子の移動接触で生まれる特徴的波形。変形して柔らかくなった地盤が揺れの折返し前後で粒子が固まり硬くなると鋭く尖った大きな波形(赤)が生じます。中越地震で一部観測されました リンク
365 中越地域 ちゅうえつちいき 中越は複雑な地質を持つ地域の一つで、200万年ほど圧縮され褶曲した地質が折り重なる「背斜帯」が北北東の方向に並びます。中越地震はこの向きの逆断層型の地震で、複雑な構造が活発な余震を生じたと考えられています リンク
366 分解空輸 ぶんかいくうゆ 孤立地域が生じた中越地震(10月23日)では積雪が本格化する年末に先立つよう緊急道路復旧を行いました。建設重機を分解しヘリコプターで輸送する「分解空輸」も組み合わせ12月初旬の復旧と年内一時帰宅を実現しました リンク
367 木籠地区 こごもちく 中越地震では土砂崩れと河道閉塞により多くの「土砂ダム」が発生し、集落が水没しました。木籠では水没家屋を補修しながら21年保存し、震災を今に伝えています(写真右:中の人9月撮影) リンク
368 背斜 はいしゃ 中越地震では未曾有の数の土砂崩れが発生しました。強い揺れに加え、褶曲によって泥岩と砂岩が折り重なり波打つ当地の山の地質(背斜)は、斜面と地層の傾きが一致し滑りやすく影響を大きくしたと考えられています リンク
369 逆断層 ぎゃくだんそう 中越地震は圧縮された断層が乗り上げる典型的な逆断層型地震です。少し傾いたビーチボールの「猫の目」は褶曲に沿って東西に押された本震・余震の地震を表します。複雑な地質で3枚の断層面から多くの余震が生じました リンク
370 根尾谷断層帯 ねおだにだんそうたい 単体で40kmに及ぶ1891年濃尾地震の主な震源断層。3000年程度の間隔で活動し、最大8mの横ずれが地表に明確に現れました。近傍の温見(ぬくみ)断層、梅原断層も含む80kmが3連動で動いたと考えられています リンク
371 改良大森公式 かいりょうおおもりこうしき 地震学者の大森房良は、1891年濃尾地震の余震記録をもとに余震回数が経過日数とともに減少する関係を当時予測モデル化しました。後代100年後の1995年の研究(3万日=グラフ右下端)でも適合が確認され続けています。 リンク
372 根尾谷地震断層館 ねおだにじしんだんそうかん 1891年濃尾地震の断層の6mもの縦ずれ(灰色の地層)を断面で保存、展示した学習施設。当時「地震」の原因には学術的にも議論が存在しましたが、地表の明確なずれと揺れの関係が「断層地震説」を強く裏付けました リンク
373 濃尾傾動運動 のうびけいどううんどう 広大な濃尾平野は三重の養老断層のずれに伴う西側の隆起(養老山地)と東側の沈降・堆積で数百万年かけ形成されました。地下に2,000mの傾斜岩盤と厚い地層があり、今日も西部に木曽三川が流れ水と土を集めています リンク
374 重力異常 じゅうりょくいじょう 地上の重力は地下の地質の密度に影響され、火山岩や油層の上では大、堆積層の上では小、断層上では急変し探査に活用します。全国傾向では赤い場所で1000分の1未満ですが重力、体重も増えます リンク
375 養老-桑名-四日市断層帯 ようろう-くわな-よっかいちだんそうたい 濃尾平野の西端を養老山地に添い南北に走り、平野全体の「傾動運動」を起こしてきた60kmの断層帯。活動度は高く、濃尾地震同等のM8の地震が予測され、過去2000年間で2回程度活動したと考えられています リンク
376 濃尾平野 のうびへいや 地殻運動と大河が生んだ有数の穀倉地帯。肥沃な土と温暖な気候が米と大豆、菜種の二毛作や養蚕を発展させ、近代も生産物の食品加工、精油、自動織機の農工連携が成立し中京圏、国内の技術発展を牽引する源となりました リンク
377 せともの せともの 瀬戸、美濃一帯は陶磁器「せともの」の名産地です。プレートの沈込みに伴う旧火山帯に「苗木‐上松(あげまつ)花崗岩」が形成され、風化して700万年頃前に粘土質とガラス質を程よく含む良質な陶土と釉薬原料を生みました リンク
378 稲むらの火 いなむらのひ 安政元年11月5日安政南海地震の津波が夕暮れ和歌山に襲来した際、事業家の濱口梧陵(ごりょう)が私財の稲束に火を放ち住民に危機を知らせ明かりとし早期避難が成功。功績を称え日本は同日を”津波防災の日”としました リンク
379 北西太平洋津波情報 ほくせいたいへいようつなみじょうほう 国際津波防災のため、日本国の気象庁は東南アジア・日本等周辺の津波監視と警報を担い、管区内でM6.5以上の地震発生時に各国に情報を即時提供しています。米国等と連携し全太平洋をカバーする国際的枠組です リンク
380 世界津波波源地図 せかいつなみはげんちず 紀元前1610年から今日まで、津波の「波源」を特定した1400個を可視化した地図。世界中で発生し2割は地滑りや噴火など「地震以外」が原因となる点も強調。国際津波情報センターとUNESCOらが制作啓発しています リンク
381 長波 ちょうは 津波の海の「揺れ」は、断層に押し出されるため、数kmから数百kmの非常に長くゆっくりした全体運動(右)になります。風等で起きる表面の数mの短い揺れに比べ減衰しにくく、海洋の長い距離も勢いを保ち伝播します リンク
382 小泉八雲 :ラフカディオ・ハーン こいずみやくも :らふかでぃお・はーん 1850年ギリシャ生、日本に帰化した文学者。古事記に感銘し1890年来日。1897年『生ける神』(A Living God)で稲むらの火と濱口梧陵の功績を紹介し”tsunami”の語を世界に普及させました リンク
383 津波警報・注意報 つなみけいほう・ちゅういほう 津波警報/注意報と予想高さは地震後2-3分で震度、推定規模に基づき速報されます(3区分5段階)。震源の分析に時間を要する巨大地震では高さの数値を省略し「巨大」等と表現。確定を待たず最悪を想定し行動します リンク
384 南関東地震 みなみかんとうじしん 関東南部で繰返し発生し首都(江戸)に被害をもたらすM7〜8級の大地震の総称。M8級の1703年元禄関東地震、1923年大正関東地震それぞれの前の約100年間に、安政江戸地震などM7級が頻発化した(水色)ことが知られています リンク
385 鯰絵 なまずえ 地震の原因「なまず」のイメージを定着させた安政江戸地震時の錦絵。正式名は「しんよしわら大なまづゆらひ」。震災に怒った江戸町人や吉原の人々が大鯰を退治する姿を描き、被災地を勇気づけ人気を博しました リンク
386 有楽町層 ゆうらくちょうそう 旧江戸城より東の東京下町に広がる10-30m超の厚く軟かい堆積層。1909年貝混じり砂が発見された有楽町に由来。縄文海進で形成され、地図は地盤の底の深さを表します。安政、大正の大地震で強い地盤増幅を生じました。 リンク
387 東京礫層 とうきょうれきそう 東京西部の台地や山の手の土台となる、大粒の石が固結した陸成地層。10万年前の氷期に古河川が岩盤を削り破片が固まりました。超高層ビルにも耐える硬い支持層で、海成の柔らかな堆積層との年代・地質の境目です リンク
388 関東ローム かんとうろーむ 富士山等の火山灰と風塵が10万年かけ堆積した関東を覆う火成土の総称、赤土。有機物と混ざり肥沃な黒ボクを形成。一定の地耐力があり地震液状化しにくく住宅等の支持層となりますが、斜面地では崩れる危険があります リンク
389 都市域3次元地質地盤図 としいきさんじげんちしつじばんず 地盤の直感理解のため、鉛直方向の掘削調査等を合成して構造を3D可視化したビューワ。図の白の面は堆積層の底面を表し、西から東(右)へ深くなる浅草付近の例です。東京千葉埼玉等提供エリアは年々拡大中 リンク
390 藤田東湖 ふじたとうこ 水戸出身の江戸幕府重鎮、儒学者。藩政改革を推進し政策を支える中、安政江戸地震時に屋敷の倒壊から自らを犠牲にして母親を救いました。飯田橋の史跡・護母致命の処(ごぼちめいのところ)が勇姿を伝えています リンク
391 かわら版 かわらばん 新聞や官報の無い江戸時代に普及した、災害や事件を速報する木版の市民メディア。初期は瓦状の粘土版で刷られ、文字や内容を読みながら売る「読売」とも呼ばれました。安政江戸地震の火災を細密にカラーで伝えています リンク
393 関東平野北西縁断層帯 かんとうへいやほくせいえんふかや-あやせがわだんそうたい 群馬-埼玉-東京付近を縦断する関東最大級の69kmの活断層。1〜2万年間隔で活動し最大M8の地震を生じると推定。西側の隆起と東側の沈降が関東全体の台地と低地の大きな境目と考えられています リンク
394 岩畳 いわだたみ 埼玉県長瀞(ながとろ)は、海洋プレート境界の20-30kmもの深さで圧縮、変成した1億年前の岩石が地表へ隆起した希少な景勝地です。同様の地体構造(秩父帯と変成帯)は、列島を横断し九州まで1000km連続しています リンク
395 白馬の奇跡 はくばのきせき 長野県北部地震の建物被害のもと死者を出さなかった白馬村の市民の功績。当地の災害直後にご近所の安否や生埋め救助に直ちに動く文化と「支え合いマップ」など要支援者の可視化が社会のモデルとなりました。 リンク
396 神城断層 かみしろだんそう 長野県北部地震の震源断層。長さ20km程度が活動したと推定され最大1mのずれが地表に表れました。緑線は、活断層として既知または当時審議中の延長部分です。南の静岡方向へ赤線の糸魚川静岡構造線が続きます リンク
397 八ヶ岳 やつがたけ 標高2,899mの長野・赤岳を最高峰とする連山。日本列島の中央は大陸運動に伴う溝(みぞ)を新しい地層が埋めました。溝を上昇するマグマの数十万年の火山活動が、八ヶ岳を中心に富士山、妙高山等の山々を帯状に形成しました リンク
398 柏崎-千葉構造線 かしわざき-ちばこうぞうせん 列島の溝(フォッサマグナ)の今日の東端を示す断層線。140年前地質学者ナウマンは西端と溝の存在を地質や火山分布から発見。後世のプレート理論と調査で、溝はより広く浅く東に分布すると一部再解釈されています リンク
399 牛伏寺断層 ごふくじだんそう 松本市から諏訪湖を付近とする糸魚川-静岡構造線の一部(中北部)。800年間隔で活動しM7.6の地震が想定されます。1000年当りの隆起速度は約10mと全国的にも非常に速くフォッサ・マグナ西端の活動の代表です リンク
400 七里岩 しちりいわ 山梨県韮崎(にらさき)市を中心に30km(七里)続く、岩石の断崖の景勝地。国内最大規模で、約20万年前に発生した八ヶ岳の火山活動による山体崩壊と岩石のなだれが主な要因で形成されたと考えられています。 リンク
401 地殻変動情報 ちかくへんどうじょうほう 全国約20km間隔、約1,300点の電子基準点の移動を衛星などで精密にとらえた公開地図。列島の陸部は今日もフォッサ・マグナを境に東西を分かつように動くことが知られており、中部地方を基準に置いて描くと明瞭です リンク
402 2.5次元解析 2.5じげんかいせき 衛星から陸の電波が帰る時間で陸の位置と動きをとらえる方法。能登半島地震では海側が沈降し半島が西へずれて隆起。衛星が飛ぶ方向(南北)のずれは測定に制約があり、3次元になりきらない意で2.5次元と呼びます リンク
403 輪島塗 わじまぬり 美しい輪島塗の秘訣は「輪島地の粉」とよぶ下地の独特の技法です。300万年前の微生物の殻に由来する珪藻(けいそう)岩が隆起して当地で産出。殻の粒度が小さく高純度で、漆(うるし)とあいまり光沢と高い耐久性を生みます リンク
404 観音開きモデル かんのんびらきもでる 岩石に残る地磁気の研究により、今日列島の東北と西南で地磁気の方向が異なること、1600万年前ごろを境に変化し分かれたことが知られています。旧日本列島の東西が当時曲げられて開かれたと考えられています。 リンク
405 海洋地殻 かいようちかく プレートの「上下関係」は表面(地殻)の密度で決まります。鉄を多く含む重く薄い海洋地殻は、ケイ素を多く含む軽く厚い大陸地殻の下に常に沈み込み、融解して再生します。大陸地殻同士は、衝突し力の勝負となります。 リンク
406 モホ面 もほめん 地殻とマントル(流体)の境界。地震学者モホロビチッチは長距離の地震波が地殻を進む速さより早く到着する現象を1909年発見。マントルは波が高速で進み、モホ面に潜った波が高速道路経由のように地殻の波を追抜くからです リンク
407 玄武洞 げんぶどう 200万年前の火山岩からなる兵庫県豊岡市の洞窟。1929年物理学者・松山基範(もとのり)が現代と逆の地磁気を持つ岩石を発見し、世界で初めて地磁気の逆転現象(松山逆磁極期)を発表。古地磁気学を世界的に発展させました。 リンク
408 チバニアン ちばにあん 地磁気が直近逆転した約77万年〜13万年前(更新世中期)を表す国際名。人類史では原人が生まれた時代。千葉県市原市の地層で世界的に貴重な逆転の痕跡が発見され、2020年日本の地名が初めて採択されました リンク
409 上総層群 かずさそうぐん 房総半島は古い地質(南)から新しい地質(北)へ重なりながら並ぶ特徴的な場所です。半島の中程で77万年前ごろの地磁気の逆転前後の地層断面が保存されており、地質年代の基準・国際標準模式地(GSSP)となりました リンク
410 昭和東南海地震 しょうわとうなんかいじしん 昭和東南海地震は、熊野灘から遠州灘まで220kmの長大な震源域で生じました。紀伊半島のリアス式海岸に甚大な津波被害を生じた一方、静岡・太田川付近等の軟弱地盤は揺れが震度7に局所増幅したと考えられています リンク
411 東南海大地震調査概報 とうなんかいだいじしんちょうさがいほう 旧中央気象台が1944年東南海地震の各地の津波と地震の観測、被害を速報したもの。戦局の影響を懸念し「極秘」とされ報道も統制されました。開示されたのは戦後GHQ下1946年。今日貴重な考証となっています リンク
412 尾鷲檜 おわせひのき 三重県尾鷲は檜の植林の400年以上の伝統を持ち、伊勢神宮の遷宮や熊野古道の建造に貢献してきました。豊富な雨とあえて厳しい土地で檜をじっくり育てる独自手法により、幹が百年かけ細密で強固になります リンク
413 セグメント せぐめんと 南海トラフは断層の切れ目の連動と滑り止まりを繰返します。1944年東南海地震は紀伊半島より東の熊野-遠州付近で発生し、2年後の南海地震は西の室戸側が活動。1707年宝永地震は東西同時連動の巨大地震と考えられます リンク
414 後発地震注意情報 こうはつじしんちゅういじょうほう M7地震を巨大地震の前ぶれと想定し地域が避難行動を構えること。1963年択捉(えとろふ)沖地震、東日本大震災が典型です。1週間以内の発生確率は1%ーこれは平常の10倍の「確変」であり、備えも引き上げます。 リンク
415 1963年択捉島沖地震 せんきゅうひゃくろくじゅうさんねんえとろふとうおきじしん 1963年10月13日15:18に千島海溝で発生したM8.5の地震(図の上部)。4mの津波が発生。18時間前の10月12日21:27にM 7.0の地震が発生し両者の震源域が重なることから、M7が「破壊の始まり」と考えられています リンク
416 ねぶた ねぶた 勇ましい像が輝く青森・津軽の伝統の祭。夜闇の邪気と睡魔(=ねぶり)をはらい、疫病や冷害、災厄に打勝つことを願う信仰が起源とされ、七夕に灯りや人型を水に流す風習が江戸時代に武者や龍の光の行列に具象化されました リンク
417 地震・津波モニタ じしん・つなみもにた 東北沖合の巨大観測網(S-net)で地震動や津波を早期に監視、可視化するしくみ。観測データは緊急地震速報や津波警報の迅速化、正確化に貢献します。動画は2016年11月福島県沖地震の揺れと水圧の観測の様子です リンク
418 後続地震 こうぞくじしん M7地震の後に一定範囲内でM8級の巨大地震が起きた頻度を分析すると、M7直後の1週間は特に高い傾向があり「注意」期間です。確率的に減少しますが、2,3週間後に起きた例も複数あり、引き続き不断(普段)の備えは大切です リンク
419 北海道 ほっかいどう 北の大地・北海道は、2000万年前ごろに異なるプレート縁の陸地が南北に伸ばされ東西に押し合わされ形成されました。中央を縦断する空知(そらち)帯は特に古い陸地で、5000万年前の植物由来の石炭とガスが帯状に産出します リンク
420 津軽海峡 つがるかいきょう 地殻の割れ目に1万年前の海進と潮流が作った青森の海の玄関口。暖流と寒流が海峡で直接ぶつかりマグロが好む餌の小魚・中温帯・急流の全てが揃い、大間など屈指の漁場ができました。連絡船ゆく冬景色は心の原風景です リンク
421 日高山脈 ひだかさんみゃく 北海道・日高では、1500万年前ごろ北米プレートが東西から押され、厚さ数十kmの奥底からめくり上がりました。日高山脈の変成帯は、深いマントル上部の岩石を含むプレート全断面が現れた世界でも極めて希少な場所です。 リンク
422 シンクヴェトリル しんくうぇとりる ユーラシアプレートと北米プレートの裂け目が現れた希少なアイスランドの土地。地殻が生まれ二手に分かれる大西洋海嶺(かいれい)にあり、両プレートが押し合う日高山脈と同じ線上の対局の場所です リンク
424 昭和南海地震 しょうわなんかいじしん 1946年昭和南海地震で広域浸水を受けた高知市では、地震の直後・1年後を高台から定点記録しています。沿岸3〜4kmまで浸水し、1年後も多くの水が市街に残り復興を阻みました。地殻変動と1m超の地盤沈下の影響です リンク
425 あなたのまちの直下地震 あなたのまちのちょっかじしん 震源をスマホで設定し地震の被害想定を計算できるサイト。スタディすることで揺れやすい土地や被害の理解も進みます。動画では当会の敷地直下にM7を投入。まちの首長として最悪に勝つ策を練りましょう リンク
426 下田港 しもだこう 安政東海地震の津波は下田を直撃し外交で停泊中のロシア・ディアナ号が大破。退行中に沈没する際、乗員500人を地元漁民が救助しました。二国間関係は一挙に友好化し、2ヶ月後下田で1855年日露和親条約の締結に至りました リンク
427 広村堤防 ひろむらていぼう 安政南海地震時に和歌山県広村の津波避難支援(稲むらの火)で多くの命を救った事業家・濱口梧陵(ごりょう)が、地震後にも巨額の私財を投じて当地に築いた堤防。92年後の昭和南海地震の再来で浸水範囲を大幅に抑えました リンク
428 聖ニコラウス せいにこらうす サンタクロースの原型となった、4世紀のトルコの司教。在職地ミュラは地震地域でもあり貧困や災害への献身を広く実施。イタリアでは地震を鎮める守護としても伝承信仰されます。赤い典礼服が象徴の世界の聖人です リンク
429 スンダ・メガストラスト すんだ・めがすとらすと 総延長6000kmの東南アジアの巨大沈込み帯。2004年12月26日スマトラ島沖地震(M9.1)では北部の古い地殻が沈込む1200km(オレンジ)が連動し大津波が発生。古い地殻ほど硬く、ひずみを溜める傾向があります リンク
430 海洋地殻年齢 かいようちかくねんれい 海嶺(れい)で生まれ海溝に消える海洋地殻の寿命は約2億歳です。赤色は赤ちゃん、青は長寿。太平洋の東で生まれた1億5千万歳の地殻が日本に沈込み、地震を起こしながら岩石を押し付け列島を大きくしてきました リンク
431 死海トランスフォーム断層帯 しかいとらんすふぉーむだんそうたい 塩分濃度33%で有名な中東の死海は複数断層の食い違いが生んだ希少な場所です。地殻が割れ海抜 -430mに深く沈降し湖が岩盤の「塩釜」状に閉塞。河川水の塩化物が濃縮され美しいエメラルドに輝きます リンク
432 諏訪湖 すわこ 長野県の諏訪湖は、関東-九州を横断する中央構造線と本州を縦断する糸魚川-静岡構造線が二本が交わる大交差点です。100万年前にくい違いで12kmの区間が沈降しました。断層ずれが作る希少な湖で、中東の死海に類似します リンク
433 御神渡 おみわたり 諏訪湖の湖面の氷が列状に浮き立つ「神様の足跡」。断層活動で沈降した、平均水深4.7mで浅く縁のあるお皿状の構造が要所です。湖が全面凍結し、昼夜の寒暖差で縁の中の氷に急激な熱膨張と隆起を生じます。 リンク
434 諏訪大社 すわたいしゃ 諏訪湖周辺の2本の大構造線の交点に建立された4社の総称。山と水の神を祀る上社本宮・前宮、その神々が湖を渡り季節で遷宮する下社春宮・秋宮。平安期頃に4社が整い、当地の地鎮と豊作を祈念したと考えられています。 リンク
435 日本海東縁変動帯 にほんかいとうえんへんどうたい 能登の震源となった、ユーラシア・北米プレートの衝突でひずみを蓄積する一帯。奥尻大津波を生じた1993年北海道南西沖地震などが知られ2010年代にリスクを調査。能登半島地震はF43断層付近と考えられています リンク
436 輪島 わじま 能登半島の輪島や沖合の舳倉(へぐら)島は、かつて海底でした。600万年前頃から日本海と本州の両方から押されて海底が隆起。海洋微生物に由来する希少な堆積岩が陸に上がり、当地輪島塗の輝きの原料として工芸を生みました リンク
437 背弧拡大 はいこかくだい 海洋プレート沈込みの影響で上側のプレートも沈込みの手前(背弧)でマグマやマントルに引き延ばされること。2000万年前に日本列島が大陸から引き離され日本海ができ、折れ曲がった(フォッサマグナ)主な動力です リンク
438 七尾城 ななおじょう 能登半島の入口・七尾(ななお)の標高300mの多数の尾根に展開された、中世屈指の連郭式の山城。城下と七尾湾を望みます。能登守護の畠山氏が15世紀に築き、激しい戦から当地を200年間防衛。今日も城跡が保存されています リンク
439 白米千枚田 しろよねせんまいだ 全国屈指の1004枚もの棚田を有する能登北端の稲作地。隆起・侵食が作る段丘と平安時代からの土地極限利用の努力によって成立しました。イルミネーション(復興中)が現代に新しい彩りを与えます リンク
440 デイサイト でいさいと 火性岩の一種。岩石の溶込みによりケイ素(石英質)の含有率が高く、風化でもろく崩れやすくなります。能登半島北部の一部に分布し、地震で集中的に斜面崩壊を起こしました。1500万年前頃の列島形成時代に由来します。 リンク
441 横ずれ断層 よこずれだんそう 断層線に沿い地殻が水平にずれるもの。2000年鳥取県西部地震が一例。断層の長辺で破壊の伝播とずれの進みの方向が一致し、助長されて延長線上に衝撃的な揺れや特徴的な震度の広がり(図の南方)を生じることがあります リンク
442 スーパーシアー すーぱーしあー 断層破壊の速度が異常に加速し通常上限のS波速度(3km/s)を超えたもの。2023年トルコ地震など長大な横ずれ断層で発生。超音速のコンコルド機のように、揺れが破壊の先頭に三角型に追従し、衝撃的地震動を生みます リンク
443 インド-ユーラシア衝突帯 いんど-ゆーらしあしょうとつたい 独立大陸だったインド大陸は5千万年前ユーラシア大陸に衝突。チベット-タイに連続する地殻や元海底の地形を押しつぶしました。衝突は、めり込みとともに巨大な隆起や食い違いを起こしました(棒グラフ) リンク
444 サンアンドレス断層 さんあんどれすだんそう 米国・西海岸一帯を走る1,200kmの長大な横ずれ断層。北米プレートと太平洋プレートの境界に位置し1906年サンフランシスコ地震(M7.9)が発生。地表では、ずれで摩耗した直線的な溝と端部の「しわ」が明解です リンク
445 国府津-松田断層帯 こうづ-まつだだんそうたい 小田原付近を縦断する関東最大級の35kmの断層。フィリピン海プレートの沈込み(相模トラフ)に派生し東西で100m程度の落差があります。13世紀ごろ連動してM8地震を発生させたと考えられています。 リンク
446 伊豆-小笠原-マリアナ弧 いず-おがさわら-まりあなこ 島々が生まれ育つ3000kmの帯。伊豆からグアム島に至ります。フィリピン海プレートに太平洋プレートが沈込む境界で海底火山や火山島を形成。列島に衝突した旧伊豆半島もここで生まれ、発展に寄与しました リンク
447 横須賀-深溝断層 よこすか-ふこうずだんそう 1945年三河地震の震源断層。三河湾と内陸にまたがり、総延長30kmに及びます。断層直上に極めて強い揺れを生じ、2m程度隆起が発生。湾内の深部から破壊が開始し各断層が連動したと考えられます リンク
448 渥美半島 あつみはんとう 中央構造線(黒波線)に沿って赤石山脈と紀伊山地に連なる東西に長い半島。蔵王山地を中心に隆起し50万年前ごろに現在の半島地形となり、南北の断層で隆起した知多半島とともに三河湾を両腕で抱く地形が形成されました リンク
449 本光寺 ほんこうじ 戦時に秘匿された震災・1945三河地震の傷跡を現代に保存し続ける愛知県幸田町の寺院。随一の保存年月を誇り土塀の一部を公式VRで提供。松平家の菩提として1523年開山し「あじさい寺」の名所です リンク
450 佐久島 さくしま 三河湾のクワガタの角の間に浮かぶ人口170人・2kmの美しい小島。列島の誕生期頃の1500万年前の色彩豊かな砂の互層や岩畳を間近で観察でき、褶曲、海食の変化に富みます。定期渡船の利便もある太古が凝縮した玉手箱です リンク
451 六甲・淡路島断層帯 ろっこう・あわじしまだんそうたい 1995年阪神淡路大震災の震源断層。大阪北部から淡路島の総延長60km近くに及び、阪神淡路大震災では六甲から淡路島北部の約30kmが活動。400年前の1596年慶長伏見地震(M7.5)が前回の地震と考えられています リンク
452 六甲変動 ろっこうへんどう 標高931mの六甲山は、1億年前の火山岩の地形が地殻の圧で100万年前ごろ段状に隆起。断層は大阪湾に続きます。破砕・風化した六甲山体は多重のろ過装置として高純度の「名水」を生み、灘の酒造等の歴史文化を支えました リンク
453 神戸市被災地図 こうべしひさいちず 建築、都市の専門家のべ1,000人超が協力した神戸市内20万棟の建物被害調査。当時の街の全貌を追体験でき、揺れや耐震性に今日の貴重な知見を与えます。手描きで丹念に塗られた地図に調査者の使命感がにじみます リンク
454 鳴門海峡 なるとかいきょう 断層運動と海面上昇で1万年前形成された海峡。幅1.3kmと狭く、太平洋の満潮は大阪湾から反時計に周回。鳴門に到着した6時間後に太平洋は干潮となり1.5mの落差と急流で世界最大級20mの「うずしお」が生じます リンク
455 大鳴門橋 おおなるときょう 淡路島-四国をつなぐ全長1,629m、支柱間876mの橋。1985年開通。支柱の足元を管の集まりで作る独自の構造で海峡の激流に耐え、うずしおへの環境影響を防止。来年は自転車の専用道が開通し進化を続けます リンク
456 神戸ポートタワー こうべぽーとたわー 神戸の都市を象徴する108mの美しい展望塔。1963年世界初のパイプ構造は大震災も耐久。揺れを打消すおもりと、くびれ部の曲げを吸収する48機の制振装置で強化、展望エリアも増設し2024年リニューアルされました リンク
457 阪神高速3号神戸線 はんしんこうそくさんごうこうべせん 震災で東灘の区間635mが倒壊。設計想定を上回る揺れで鉄筋が曲げの耐久力を超えコンクリートに斜めの裂傷を生じ一挙に安定を失ったと考えられています。知見を元に全国の高速道路の耐震化は今日ほぼ100%です リンク
458 掬星台 きくせいだい 六甲・摩耶(まや)山の展望台。段状に隆起し切り立つ702mの尾根は見晴らしに優れます。古典「星を掬(すく)う」意で100年前の大正期に命名。神戸は発展し、名付通り「星をすくう」大都市の輝きを生みました リンク
459 上町断層帯 うえまちだんそうたい 豊中市から大阪市を経て岸和田市に至る42kmの長大な活断層。8000年に1度程度活動しM7.5の地震で大阪に広く震度7の揺れを生じると考えられます。前回活動から9000年を経過した大都市の重要断層の一つです リンク
460 妙高山 みょうこうさん 標高2,454mの越後を象徴する山。30万年前から4回の火山活動で生まれフォッサマグナの火山一帯を構成。日本海側の雨と雪で深く削られた美しい谷筋を特徴とし、谷の一部は杉ノ原などスキー場としても利用されています リンク
460 上町台地 うえまちだいち 大阪城(中央+印)が立地する、南北に連なる台地。色は標高を表し、30万年前ごろから断層活動によって隆起しました。低地の多い大阪で地盤が堅固で水害も少なく、命名の由来「上方の地」として戦国時代から知られました リンク
461 カッパドキア かっぱどきあ トルコの岩石住居の街、世界遺産。6000万年前の火山活動で厚い火山灰の上に溶岩が散発して積もり、溶岩直下を残して火山灰が風雨で削られ独特の尖った形状ができました。内部や地下を人がくり抜いて居住されました リンク
461 大阪城 城郭 おおさかじょう じょうかく 大阪城は上町台地の20mの堅固な高台に築かれ、水環境を活かし多重の堀を設け、高い防御力を誇ります。上町の砂礫層は豊富な地下水を有し、本丸の30mの深い井戸(金明水)の水供給が平時や籠城作戦で力を発揮しました リンク
462 戸隠山 とがくしやま 1904mの長野県の山。火山性の妙高山に近接しますが、戸隠は地殻の隆起ででき対照的なゴツゴツと突き出た山肌を特徴とします。天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れた岩が投げ飛ばされて生まれたと伝わります リンク
462 大阪城天守閣 おおさかじょうてんしゅかく 随一の高さ41mを誇る天守閣。豊臣、徳川が築き、現行は1931年募金で復興し、95年。当時の最新構造を用い、阪神淡路大震災後も炭素繊維など新技術で大改修を実施。最上階が豊臣の「黒地に金」の優雅を今に伝えます リンク
463 昭和新山 しょうわしんざん 北海道・壮瞥(そうべつ)町で1943年ごろから2年で平らな麦畑に突如巨大な「山」が出来ました。有珠(うす)山のマグマが有感地震とともに溶岩ドームを形成、最終的に高さ400mに。火山誕生を目撃した世界でも希少な例です リンク
463 フォトグラメトリ ふぉとぐらめとり 「写真を記録し測量する」意の造語。両目が知覚のずれから距離を認識する原理で複数写真から空間位置を把握。文化財や災害測量など広く利用。19世紀の図学に始まる概念がAIによって広く活用されています リンク
464 三松正夫 みまつまさお 1888年北海道生、壮瞥(そうべつ)町の郵便局長。昭和新山成長の600日の精密記録「ミマツ・ダイヤグラム」を作成。世界火山会議で発表し世界随一の研究と称賛されました。晩年も学術と環境保護に貢献。1977年没 リンク
464 長周期地震動予測地図 ちょうしゅうきじしんどうよそくちず 大地震時「おわん」状の盆地で表面波が増幅し、長周期地震動が超高層建物を揺らします。南海トラフ地震時、大阪平野、濃尾平野(愛知)、関東平野の大都市圏や様々な地域の大きな揺れの分布が予測されます リンク
465 有珠山 うすざん 高さ733mの北海道の火山。洞爺(とうや)カルデラの南に2万年前に形成。1640年海に至る山体崩壊、1944年近傍に昭和新山が誕生。1977年大規模噴火、2000年も噴火を生じ300年で10回噴火(年代色分け)。極めて活発です。 リンク
465 大坂大絵図 おおさかおおえず 元禄4年(1691年)の大坂の絵図。東側に大阪城(旧石山本願寺)から天王寺への上町台地ラインが、西側に今日も名残の多い「堀川」界隈が描かれ、水の都の来歴がわかります。リンク先では浮世絵もマッピングされています リンク
466 筑波山 つくばさん 関東平野に独立する877mの山。形成過程が特殊で、7000万年前に地下で作られた「班れい岩」の巨大な塊が隆起し風化でおおいを取られ300万年前「山」になりました。風化掘削が女体山(最高峰)、男体山の二峰を作りました リンク
466 高田平野断層帯 たかだへいやだんそうたい 新潟県上越市と妙高市を分岐状に通る、高田平野の東縁・西縁の活断層の総称。平野に対しV字の外側が隆起します。最大でM7規模の地震が生じ、高田等で歴史的に繰り返す直下地震の震源断層と推定されています。 リンク
467 石切山脈 いしきりさんみゃく 茨城県笠間市で花崗岩「稲田石」を産出する国内最大級、100年現役の採掘場・見学地。緻密で美しい石は国会議事堂、最高裁判所など歴代の建築外観に活用。60m掘下げた空間が要塞と湖になり「茨城のラピュタ」が愛称です リンク
467 雁木通り がんぎどおり 商家、民家の前面にアーケード型の屋根をつなぎ雪をよける豪雪地帯の知恵。上越市高田の雁木は総延長16kmと日本一の長さを誇ります。高田城下として17世紀いち早く大規模に整備、継承されたと考えられています リンク
468 霞ケ浦 かすみがうら 6千年前縄文海進の時代の海の「湾」が海面低下で残った220km2の広大な湖。筑波山が流れを分け周辺流域に比べ地形が安定しました。隣接の北浦とともに入江のギザギザの形状。断層が作った琵琶湖とは成り立ちが対照的です リンク
468 高田城 たかだじょう 現・上越市に徳川家康の六男・松平忠輝の居城として1614年築城。三重櫓(やぐら)と天然河川を活用した堀が美しく調和します。1926年に始まる観桜(かんおう)会は100周年を迎え、今日「日本三大夜桜」としても有名です。 リンク
469 縄文貝塚 じょうもんかいづか 関東は入江が発達し全国3,000の縄文貝塚の約6割を占める一大貝塚エリア。食べた貝殻から海生のハマグリは浅瀬(青)、淡水生のシジミ等は川との接続点(緑)を推定、集落だけでなく海進範囲を考察する上でも重要な情報です リンク
469 雪の高田 ゆきのたかだ 高田平野の年平均積雪量600-700cmは全国屈指、平野では随一です。西の妙高山を含む「V字」の山地の独特の地形で多くの海の気流が集まり降雪します。積雪量をデザインしたカレンダーは当地で40年続く毎年の恒例です。 リンク
469 三陸海岸 さんりくかいがん 陸前、陸中、陸奥(むつ)の3海岸の総称。北上山地の山あいが1万年前に水没したリアス式海岸の陸前、陸中、10万年前に海底が隆起した海成段丘の北部の陸奥と一連の海岸内で多様な地形と豊かな農水産文化を生みました。 リンク
470 エドワード・モース えどわーど・もーす 米国の動物学者、東京帝国大学教授。1877年汽車の車窓から鉄道切通しに貝層(4000年前の大森貝塚)を発見。美しい観察記を残し出土した土器の特徴から「縄文」を命名。科学的な近代考古学を日本に創始しました リンク
470 北上山地 きたかみさんち 三陸地域の土台となった1900m級の広大な山地。大船渡付近を中心に4億年前のデボン紀以降の地質のある国内有数の場所で、当時のアンモナイトやサンゴを発見。その一角が赤道近くの南の島であった名残と考えられています リンク
471 犬吠埼 いぬぼうさき 千葉県銚子市の尖った岬。隆起によって関東平野でほぼ唯一、約1億年前の白亜紀の岩石が露出する場所。アンモナイト化石も産出。岩盤は山のように湧水を生み、岬の先端として銚子内陸の侵食を防ぎました。 リンク
471 中尊寺金色堂 ちゅうそんじこんじきどう リンク
472 嶺岡帯 みねおかたい 南房総はフィリピン海プレートに圧縮された地殻「嶺岡帯」と押付けられた付加体が有数の密度で折り重なり、加茂川(鴨川)はその境界を流れます。1kmの中に数百万年の時間が圧縮された地球の記憶のまほろばです リンク
472 松島 まつしま 260の島々が浮かぶ宮城の絶景、日本三景の一つ。300万年前ごろ火山灰や土砂の柔らかな堆積層が隆起。河川によって細かく刻まれ、海面上昇で谷が水没し複合過程で形成。海に適応した黒松がしげり無数の緑が海の青に映えます リンク
472 奥羽山脈 おううさんみゃく 東北を走る日本最長の500kmの山脈。太平洋と日本海の両側から押されたしわ寄せで川の字の山地を形成し、その中央の背骨。プレート沈込みによる火山フロントを生じ、乳頭、花巻、蔵王など温泉地も豊富です リンク
473 国分寺崖線 こくぶんじがいせん 東京・国分寺から調布まで30km続く長大な崖。10〜20m程度の落差は、7万年前ごろから旧多摩川系の増水で段状に掘削。湧き水により歴史集落が多く今日も都市の中の希少な自然を自治体が条例で保護しています リンク
473 田沢湖 たざわこ 日本で最も深い423mの水深を誇る秋田県仙北市の湖。170万年前、奥羽山脈の火山帯の活動で出来た巨大な空洞のくぼみ(陥没カルデラ)とその後の沈下が重なり、海面よりはるかに深い標高-174mまで湖底面が低下しました。 リンク
474 湧水機構 ゆうすいきこう 国分寺崖線には多くの湧水が出て、地域を潤してきました。水を通す関東ローム層と水を貯める武蔵野れき層が段状に積もっており、水を通さない岩盤(上総層群)に当たった水が崖の断面で表へ湧き出します。 リンク
474 貞観地震 じょうがんじしん 869年東北で生じた巨大地震。当時の津波を示唆する文書と仙台平野等の津波堆積物(赤,青印)から2011年東日本大震災に匹敵する大津波と推定。1000年程度の周期で同規模の地震が繰返されると考えられています リンク
475 米田浜津波堆積物 まいたはまつなみたいせきぶつ 岩手県野田村の地層断面。最大7000年前の縄文時代を含む、東日本の太平洋沖で発生した全ての津波痕跡が発見された全国唯一の場所。海岸上で湿地による常時堆積が生まれ保存の好条件を満たします リンク
475 等々力渓谷 とどろきけいこく 東京23区内の唯一の「渓谷」。国分寺崖線の湧水と河川が2万年の掘下げにより10m超の深いV字谷を形成。周囲の環状道路や密集市街地の中に切り込まれた1kmの大自然です。現在樹木の整備期間で3月頃再開予定 リンク
476 津波堆積物データベース つなみたいせきぶつでーたべーす 全国の津波堆積物の位置と地層をデジタル地図としたもの。地層図の黄色い帯(イベント砂層)が津波堆積物。東北の赤のピンは867年貞観地震の跡を表し赤線は推定浸水域です。内陸深く浸水が見て取れます。 リンク
476 霧島火山 きりしまかざん 1,700 mの韓国(からくに)岳を最高峰とする山。30万年前から移動噴火口を形成し20個の火山群の姿は変化に富みます。1968年えびの地震後2年群発地震を生じ、2011年に新燃岳が大噴火。サラサラのマグマが噴火を繰返します リンク
477 十和田湖 とわだこ 青森・秋田の県境の外形10km深さ327mの巨大な湖。2万年前と5000年前の噴火の陥没等が複数重なった希少な「二重カルデラ」で中湖(なかのうみ)を形成。大噴火の広域の降灰(テフラ)は地質の年代指標とされます。 リンク
477 鬼の洗濯板 おにのせんたくいた 岩の列が整然と並ぶ宮崎・日南海岸の景勝地。2000万年前に海底に形成された砂と泥の多重の互層が海洋プレートによって陸地に押し付けられ、砂の層だけが残存。巨大な鬼が巨大な腰巻きをゴシゴシ洗う水辺の洗濯板です リンク
478 下北半島 しもきたはんとう 青森の最北に突出す「斧」のような半島。70万年前から恐山(おそれざん)一帯の火成岩(赤・紫)の硬い塊が「刃先」を形成。周囲より浮立ち侵食されにくく残存したと考えられ、湾を越えた十和田へ南北に火山帯が続きます リンク
478 天岩戸 あまのいわと 天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れたと伝わる宮崎県高千穂町の高さ10mの大洞窟。10万年前の阿蘇山の噴火堆積物を水流が掘削。「岩戸」は長野へ投げ飛ばされ戸隠山(No.462)になり、神話は続きます。 リンク
479 青森湾西岸断層帯 あおもりわんせいがんだんそうたい 津軽山地と青森平野の入内(にゅうない)の20kmにわたる長大な断層帯。西側が隆起する逆断層。M7程度の大地震が想定され、直下型の揺れとともに断層運動が海域を含む場合数分程度で津波が到達すると予測されます リンク
479 タービダイト(乱泥流堆積物) たーびだいと 海底では地殻変動等のたび土砂が巻上げられ沈みます。その際大きく重い粒子(砂)が先、軽い粒子(泥)が後に沈むため、砂と泥が常にこの順で交互・均等に積もります。互層の規則的な美しさの秘訣です リンク
480 八郎潟 はちろうがた 入江が閉じて形成された秋田の巨大な湖。龍となった「八郎太郎」が築いたと伝わり、琵琶湖に次ぐ面積220km2を誇りました。戦後オランダ式の排水干拓を導入し20年かけ農地に転換。今日「あきたこまち」の大稲作地帯です。 リンク
480 十六島互層 うっぷるいごそう 島根半島の海岸の岩石の列。宮崎の「鬼の洗濯板」と同様に砂と泥の互層のうち砂岩が残りました。1500万年前の海底が日本海拡大の過程で隆起。難読地名は「入江」の意のアイヌ語か縄文語由来とされます リンク
481 鬼のたわら転がし おにのたわらころがし 秋田・男鹿(おが)半島で岩場に自然が作った「道」。7000万年前の花こう岩の割れ目に2000万年前ごろ茶色い玄武岩が線状に溶込みました。鬼が重い物を転がした跡のようにゴツゴツの岩場がならされ海岸へ続きます リンク
481 ジョン・ミルン じょん・みるん 1850年生の英国の鉱山技師、地震学者、東京帝国大学名誉教授。日本滞在時1880年日本地震学会の創設を主導。近代的な振り子型ミルン地震計を考案し貢献。堀川トネと結婚し夫婦で帰国し英国で研究に尽力。1913年没 リンク
482 男鹿半島 おがはんとう 秋田・なまはげの発祥地で八郎潟の西に広がる半島。先端・入道崎に2,000万年前の海底火山の岩石が隆起し、列島が大陸が分かれる過程で火山と海底の堆積が東へ折り重なり、列島の歴史が凝縮された希少な場所です リンク
482 ミルン水平ふりこ地震計 みるんすいへいふりこじしんけい ジョン・ミルンが日本滞在の1890年頃に開発した近代型地震計。水平の腕に重りをつけて揺れの動きを拡大する工夫、感熱紙記録など画期的で高感度な仕組みを持ち、世界で約100箇所に普及しました リンク
483 警固断層帯 けごだんそうたい 太宰府市から福岡市を経て玄界灘に至る55kmの長大な断層帯。終端は不明でしたが、福岡県西方沖地震で北西部が活動し、海へ延伸していることが判明。今後南東部で内陸の福岡市直下のM7級地震も想定されます。 リンク
483 災害伝言ダイヤル さいがいでんごんだいやる 災害時は緊急通話を最優先し通話に最大95%の制限がかかります。災害伝言ダイヤルは回線の占有、負荷の少ない非同期通信(録音)で被災地外に伝言を蓄積し、円滑に安否を伝えます。全国800万伝言の容量を有します リンク
483 E-ディフェンス いーでぃふぇんす 兵庫県三木市の世界最大級の国立・地震実験施設。巨大な油圧源と3次元方向の多数の腕で地震の本物同等の揺れを再現。15m×20mの震動台(地面)に最大1200tの実大建物を載せ、耐震や倒壊現象の高度な実験を行います リンク
484 玄界島 げんかいじま 1.1km2・人口約300人の玄界灘の離島。火山活動と隆起により形成され海運の歴史的要衝。福岡県西方沖地震では風化花崗岩の土砂崩れにより一時全島避難するも復興し、今日離島体験や島カフェなど当地の魅力を増しています リンク
484 低軌道衛星 ていきどうえいせい 通信などを目的に高度500km程度の低軌道を飛行する人工衛星。可視化サイトでは1万機規模の通信衛星Starlinkの周回や隊列が見て取れます。災害時、地上の通信途絶の空のバイパスとしても発展が期待されます。 リンク
485 芥屋の大門 けやのおおと 福岡県糸島市・玄界灘の名所。数百万年前マグマが冷却収縮してできた角柱の集まり(柱状節理)を波が奥深く侵食。同様の玄武岩洞窟で高さ64m奥行90mは日本最大。火山と海洋が創る希少な異空間です。 リンク
485 昭和三陸地震 しょうわさんりくじしん 「桃の節句の地震」とも呼ばれる昭和三陸地震は未明2:31発生し岩手を中心に津波被害が発生。旧暦5月5日「端午の節句の地震」の1896年明治三陸地震も「揺れが小さくても(震度2-4)津波が来る」と伝承されてきました リンク
486 塩俵断崖 しおだわらだんがい 長崎県・生月(いきつき)島の景勝地。1000〜500万年前の火成岩が海岸に削られ無数の柱状節理が崖に露出。柱の保存状態や崖の広さも有数です。命名は当地で生産される「塩を詰めた俵」の積み荷に由来します リンク
486 田老防潮堤 たろうぼうちょうてい 明治、昭和の大津波を経験し岩手県田老町に戦前から先進的に築かれた2km・二重の巨大防潮堤。第一期は1934年から財政難や戦時の困難を寄付等で乗越え1958年完成。東日本大震災の復興でさらに発展しています リンク
487 安芸灘断層群 あきなだだんそうぐん 広島湾から岩国市にかけて走る約21kmの断層帯。瀬戸内海と地形を形成し、今後M7程度の地震を発生させると予測されています。2001年芸予地震は、これらより深い沈み込んだフィリピンプレート内の活動です リンク
488 厳島神社 いつくしまじんじゃ 広島県宮島の神社、世界遺産。島々に囲まれ、山の風化土が広く堆積した当地の浅瀬・干潟に1168年平清盛が連なる社殿(寝殿造)を建立。海の神・宗像(むなかた)三女神をまつり瀬戸内の安全と繁栄を祈ります リンク
489 佐田岬半島 さだみさきはんとう 愛媛県の西の先端に位置する長さ40kmの日本で最も細長い半島。中央構造線に沿い1億年前のかつてのプレート沈込み帯の岩石(変性帯)から形成。温暖な気候と風通し、日当たりを生かし、高品質の柑橘類を特産とします。 リンク
490 中央構造線断層帯 ちゅうおうこうぞうせんだんそうたい 列島を縦断する中央構造線1000kmのうち、活断層として特に地震が想定される金剛山地(奈良)から伊予灘(愛媛)の360kmの内陸最大級の断層帯。直近四国で16世紀の活動痕跡があり、連動で最大M8級の地震を生じます リンク
491 瀬戸内海 せとないかい 中央構造線の北側で瀬戸(隆起)と灘(沈降)が連続する400kmの海域。瀬戸は「せばまった海路」。構造線の横ずれ運動で「しわ寄せ」の凸凹が発生し多様な島々を生みました。「しわ」は関西の平野・山地にも繰返されます。 リンク
492 吉野山 よしのやま 「一目千本」の桜が著名な奈良県の858mの山。中央構造線南側で隆起した砂岩の地形が水流で深く削られ、尾根と落差を形成。桜の古来種と平安以降の1000年の育成により、高度・場所ごとにのべ3万本の桜が咲き誇ります リンク
493 有馬型温泉 ありまがたおんせん 兵庫県・有馬温泉の独特のしくみ。温度の高い海洋プレートが沈込み、プレート脱水流体が六甲系断層を経て高温・高塩分濃度のお湯が湧き出します。非火山性温泉の中でも珍しく世界でも希少な「プレート直結の湯」です リンク
494 地熱ポテンシャル ちねつぽてんしゃる 発電などに利用可能な火山や熱水の地熱エネルギーの分布。火山大国・日本の埋蔵量は23GW(原子力発電所23基相当)と世界屈指で、適用深さ等を広げる新技術を開発中。「脱化石燃料」に向け貴重な資源の一つです。 リンク
495 日向灘 ひゅうがなだ 九州-四国沖合で水深約1000mの凹地(日向海盆)の領域。プレート沈込み帯のうち滑りやすい「南西諸島海溝」と固着して力をため込む「南海トラフ」の屈曲点にあり、両者の中間でM7程度の中規模プレート間地震が頻発します リンク
496 鬼界カルデラ きかいかるでら 九州の海中の直径20kmの噴火跡。7300年前に超巨大噴火が起き火山灰は東北まで到達。薩摩半島全域を火砕流がおおい30mの津波も襲来。約1000年間無人の土地となりました。過去1万年で世界最大の噴火です リンク
497 姶良カルデラ あいらかるでら 直径20km、現・鹿児島湾の巨大な噴火跡。鬼界カルデラと同じくフィリピン海プレートが造る火山帯にあり、3万年前の巨大噴火で形成。さらに13000年前の再噴火で吹き出した「桜島」が今日も活動しています。 リンク
498 屋久島 やくしま 海底の花崗岩の塊がプレート運動により500万年前に隆起した特殊な離島、世界遺産。当地の屋久杉は、高地と火山性土壌、多雨暴風に適応し、ゆっくり堅く成長します。推定樹齢2000-3000年の「縄文杉」が島のシンボルです。 リンク
499 松山城 まつやまじょう 愛媛県の城。関ヶ原の戦い後1627年防御重視で築城。火成岩・堆積岩の標高130mの勝山(かつやま)に本丸を構築。堀の内に守られた平城と連携した独自の「平山城」は難攻不落。全国に現存する12天守の一つで桜の名所です リンク
500 今治城 いまばりじょう 愛媛県の城。瀬戸内海に面し海水を直接引き込んだ希少な「海城」。江戸初期に整備され最大幅50mの内堀は防御と舟入を兼ね、海運機能としても発展。「山」の松山城と並び伊予の地形を戦略的に活用しています リンク

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